ご褒美の罠
【ご褒美の罠】
最初に言っておくべきこととして、何かに対してご褒美を与えること自体が悪いことではありません。
その上で、今回はこんなケースをご紹介します。
アメリカのある幼稚園で、お絵かきの好きな4歳児を対象に行われた実験です。
彼らは、お帰りの前や自由時間に自らお絵かきをする子たちです。
その子たちに対して、ある日お絵かきをしたご褒美に青いリボンと賞状を与えました。
するとその二週間後、園児たちは明らかに絵を描くことへの興味を失い、
自由時間にお絵かきをすることも、ご褒美をあげる前よりも減ってしまいました。
何も与えられなくても自分が好きだからやっていたお絵かきが「仕事」に、
つまり青いリボンや賞状がもらえなければ、する価値のないものになってしまったということです。
このように、せっかく内発的な理由(楽しい、好き)で取り組んでいる物事でも、
外発的な要素(ご褒美や罰)を与えることで意欲を喪失させてしまうこともあるのです。
子供自身が好きでやっていることにご褒美をあげる時は、よく考える必要があるかもしれません。