お酒を3カ月やめると
僕は2024年4月9日にお酒を一切やめることを決断し、今ブログを書いている7月12日まで一滴もアルコールを摂取しておりません。
この3か月間、何回かのブログの中で当時の苦しみや立ちふさがった障壁、その乗り越え方や対策などについても日記的に記してきました。興味のある方は以前のブログをご覧いただければと思います。
今回は禁酒から3カ月たった今の気持ちや健康状態、当時の自分を振り返りながらお話しできればと思います。
酒に溺れた愚かな若者
話は10年前に遡ります。
僕は昔、浴びるように毎日酒を飲んでいました。具体的に言うと、学生時代~社会人独身時代~夫婦生活2年目までの7年間はとんでもない飲酒量だったと言えます。
学生時代と社会人2年目までは競技もやっていたので、飲酒の頻度は週に3~4日、基本的には発泡酒1~2本程度です。しかし次の日がオフという日には明け方まで酒を飲み続けるという習慣でした。
それでも、昼には起きてラーメンを食べに行ったり、時には寝ないでそのままカラオケに行ったりと、元気な若者でありました。
競技を引退してからは、飲酒量がさらに増加しました。
今まで何となく酒を飲んだ次の日は身体が重くなるという気持ちがあったので、次の日に練習がある時は飲酒量を控えていましたが、引退してからはそのブレーキも無くなったのです。
毎日飲むのは当たり前、500mlのビール5〜6缶をいも焼酎のソーダ割りや日本酒と一緒に飲み進めるというのを基準に、どんなに少なくともビール3本は欠かさないですし、飲みに行けばいちいち飲んだ量など気にせず、2件目、3件目、カラオケ、宅飲みと飲みまくりました。
今思い返しても恐ろしいのは、飲み過ぎていたことではありません。何件飲み歩いても家に帰る道中にコンビニがあるととりあえずビールを買ってしまうのです。「お前まだ飲むの?」と同僚に鼻で笑われたものです。
そんな生活を続けていたのにも関わらず、日中のパフォーマンスに不満を感じたことはありませんでした。眠くなることもありませんし、寝坊や遅刻をする人間でもありませんでしたから、自分は大丈夫だと思っていたのです。
しかし今思えば、パフォーマンスが発揮できていたのではなく、本来のパフォーマンスというものを知らなかっただけなのです。
社会人4年目、僕は現在の妻と同棲を始めました。
妻は僕と違い「飲みすぎる」ということはしませんでしたが、お酒は好きですし、何より僕以上にアルコール耐性のある女性でした。僕がかなりの量を飲むことに関しても昔から承知の上で、それに対して「控えてほしい」などという意見を口にすることはありませんでした。
大量の飲酒をしなくなった理由
しかしこの頃の僕は、自分にどうしても自信が持てなかったのです。
成果が出せない会社での業務、うまくいかない部下や上司との関係、稼ぎたいけど稼ぐ能力の無い自分、そしてお酒とタバコに月何万円もの浪費を続ける愚かさもまた、「このままではダメだ」という気持ちを増幅させる原因でした。
結果僕は、自分に絶望するまでになりました。会社での人間関係トラブルと強いストレスをきっかけに鬱になり、1ヶ月ほど会社を休んで家に引きこもりました。会社(上司、部下)に迷惑をかけ、妻に迷惑をかけ、こんな自分が心底情けなくなりました。
色々あって社会復帰した僕は、まずタバコをやめました。忘れもしない2018年末のことです。
重度のニコチン依存症だった僕にとって、これは自分の情けない人生を変える第一歩でした。迫り来る禁断症状に苦しみながらも、僕はタバコの呪縛から解放されることができました。
この話についてはこちらで詳しく話しています。
禁煙から2年が経ったとき、僕は愛する妻との間に待望の第一子を授かりました。
それまで浴びるように酒を飲んでいた僕も、以前のように飲むことはできません。
僕が当時住んでいた地域は三重県で、病院までは車で15分、深夜に突然陣痛が来て車を走らせなければならない可能性もあったからです。それ以前に、妻はお酒が好きだったので、僕だけが飲むのも申し訳ない気持ちもありました。
僕はこの時、お酒を飲み始めてからは初めて、数週間お酒を飲まないという期間を経験します。
無事息子が誕生し、家族3人の生活が始まったわけですが、ここからの1ヶ月は皆さんご存知の通り、お酒なんて飲んでいる場合じゃありません。
結局息子が生まれてからも1ヶ月ぐらいはほとんどお酒を口にする余裕がありませんでした。
息子が生後3ヶ月ぐらいになってからも、寝かしつけをしたり、深夜にオムツを変えたりすることはあるので飲酒量はかなり抑え気味でした。
さらに数ヶ月後、妻のお腹に2人目の命が宿りました。
この頃の僕はすでに大量の飲酒をすることは無くなっていました。多くても缶ビール2本程度、頻度も週に1〜2回程度で、外で飲むことも一切無くなりました。
そして1人目の時同様、出産間近には一切お酒を飲まないという時期もありました。
完全にやめようと思った理由
結局息子たちが2歳と1歳になる頃まで、週に1〜2回、ビール1〜2本という世間的に言う「適度な飲酒量」で生活していた僕ですが、その後少しずつ飲酒量は増加していきました。
お酒というのは怖いもので、徐々に同じ量では満足できなくなっていきます。これはタバコはもちろん、糖分についても同じです。
これらを摂取した時、脳内では「ドーパミン」という快楽を感じる物質が分泌されるのですが、いずれ同じ量のアルコールやニコチン、糖の摂取では同等の快楽を得ることができなくなります。
なので無意識のうちに摂取量が増えてしまうのです。
いつの間にか僕は週に5日、一度に500mlで3本の缶ビールを飲むようになっていました。
「ああ、飲む量が増えているな。でも昔ほどじゃない。」
自責の念と虚しい自己肯定が葛藤を続けていました。
僕はこの時期から、飲酒が体に与える影響を改めて勉強するようになり、このままの生活が10年後、20年後の未来にとんでもない後悔を生むことを予感し始めました。
「やめた方がいいんだよな。」
そんなことを頭では考えていながら、習慣的に買ってくるビールと菓子パン、、、。
別に体調は悪くない。朝もスッキリ目が覚める毎日。仕事のパフォーマンスも申し分無い。人生は幸せに満ちている。
それでも頭の片隅にある拭いきれない違和感。
ある日その違和感の正体を明確に言語化することができました。
「このままじゃ後悔する。」
僕は「死ぬ時に後悔しないように生きる」と決めています。「このまま行動しなくていいのか?」「お前はそれで満足なのか?」と自問自答しながら生きてきました。
会社を辞めて独立起業した理由も、あの日タバコを水につけて捨てた日の決断も、全ては後悔しないためでした。
改めて自分に聞いてみました。「お前はこのまま酒を飲み続けるのか?」と。
答えは「No」でした。
2024年4月9日、僕は二度とお酒を飲まないと決意しました。
3ヶ月の断酒が僕に与えたもの
僕は生まれ変わりました。
子供が生まれる時に数週間お酒を飲まなかったあの時とは全く違います。
環境に左右されて受動的に"飲めなくなった"のではなく、自ら決意し自発的に"飲まなくなった"のです。
正直あの時は子育てや妻のサポートでいっぱいいっぱいでしたから、禁酒の効果を実感する余裕もありませんでした。
その日僕は冷蔵庫に残っていたビールをシンクに流しました。
普段だったら必ず飲んでから寝る曜日に、何か大きな喪失感を感じながら寝室に入りました。
そして布団の中で恐怖しました。
この、「喪失感を感じている」という状態こそ、『アルコール依存症』であり、『薬物依存状態』であるという証拠だからです。
よく、「お酒が飲めなくなったら、人生何が楽しいんだ?」という言葉を耳にします。かく言う僕も同意見でした。
しかし目を閉じてよく考えてみる必要があります。
「お酒を飲まないと幸せを感じられない」という状態がいかに本当の幸福から遠く、異常事態であるかを。
お酒をやめたことで、何か楽しみが"減った"と感じてしまう時点で、それはアルコールという薬物に脳がコントロールされているという証拠に他なりません。
そのことを改めて思い知らされた、禁酒初日の夜でした。
目が覚めた時、心に余裕がありました。
飲まないで寝ること自体は普段もあるのですが、この日はもっと気持ちの良い目覚めだったのです。
その理由は単純でした。
僕が飲まない日というのは、次の日に朝から仕事がある場合だったからです。
きっと飲まないで寝た次の日は今までもコンディションが良かったのでしょう。しかし早朝から仕事の準備を始めるので、その効果を実感する余裕がなかったのです。
朝から仕事のためにバタバタとする必要もなく、ゆっくり顔を洗ってコーヒーを飲みながら、朝ごはんを作る日常が、こんなにも優雅でゆとりあるものだったのかと驚きました。
そして2日目、3日目と、続けるうちに朝の目覚めの良さ、気持ちの晴れ具合は増していきました。
「3日も飲まないなんて、いつぶりだろうか。」そんなことを思いながら、コップで飲む1杯の水がとても美味しいことを感じます。
数日経つと禁酒による禁断症状にも悩まされました。それについては他の記事を読んでください。
僕は日に日に健康になっていきました。
今まで「自分は仕事で最高のパフォーマンスを発揮している」と思っていましたが、それは"勘違い"でした。
禁酒から1ヶ月が経つ頃には、今までとは比べ物にならないほど頭が冴え渡り、体が軽く、疲れを感じない、そんな体調が手に入ったのですから。
また、肌艶が良くなり、便通も改善されたことで、禁酒以外の健康的な食事、生活リズムを取り入れるきっかけにもなりました。
そんなこんなであっという間に3ヶ月が経ったわけですが、これを読んでいる人の中にはこう思っている人がいるかもしれません。
「禁酒の効果を実感できるのは最初のうちだけだ」と。
これについては全く違います。
僕は3ヶ月経った今でも新たな禁酒の効果を実感しています。
劇的に変化した朝の習慣
僕は半月ほど前から朝活をしています。
というのも、禁酒によって睡眠の質が向上したことをきっかけに、朝活を取り入れたいと思うようになったからです。
朝活をする上で同時に始めたことは、寝る前スマホ禁止と起きる時アラーム禁止です。
寝室にスマホを持っていくと、ついついショート動画を見てしまったり、目が冴えてしまって睡眠時間を削ったり、睡眠そのものの質を低下させる原因になります。
せっかく禁酒によって早く寝れるようになったのに、別の要因で睡眠を削っていては本末転倒であります。
そして寝室にスマホを持って来ないのですから、思い切ってアラームで起きるのをやめようと思いました。本来人は暗くなったら寝る、明るくなったら起きるという生活を何万年も続けてきた種族ですから、自律神経を整えるという意味でも良い習慣となります。
実は禁酒を始めてから、目覚めの良さはどんどん良くなっていきました。その甲斐もあって、このアラームなし起床はなんの苦もなく実現することができました。
大体5時半〜6時に起きることが多いのですが、5時に目が覚めたらそのまま布団から出ます。朝にすることは読書や散歩、ブログの執筆です。時間があれば全てやりますし、無ければ少し本を読む程度です。
早朝は最高です。
誰からも邪魔されず、優雅なひと時を自分のために有意義に使うことができます。
しかも起きてすぐというのは脳がフレッシュな状態です。読書で情報をインプットしたり、ブログ執筆で情報をアウトプットするには最適なのです。
こんな充実した朝の時間を過ごせるようになったのも、禁酒による睡眠の質の向上があってこそです。
さらに言うと、禁酒1ヶ月の頃の僕が朝活を始めても挫折していたかもしれません。禁酒することに慣れ、体質が改善され、睡眠の質がさらに向上した禁酒2ヶ月半〜3ヶ月のタイミングだったからこそ朝活が成功したのだと思います。
そもそも、禁酒して1ヶ月の頃の僕は、「朝活を始めよう」と思うまでの余裕はなかったと思います。禁酒を2ヶ月、3ヶ月と継続する中で更なる健康意識が芽生え、自然と『早寝早起き』ができるようになった結果、このような思考に至ったのです。
このように、僕は禁酒をきっかけに自分の人生をさらに良い方向へ進める様々な活動をするに至りました。
"様々な"と言いましたが、朝活以外にも僕が現在やっていること(意識している習慣)にはこのようなものがあります。
・自然と触れ合う
・趣味を満喫する
・時間管理(仕事とプライベート、スマホの使用時間制限など)
・栄養素を意識した食生活(タンパク質やミネラルの摂取量増加や糖質制限など)
これらは全て、あの日禁酒を始めなかったらここまで意識する事はなかった物事です。
そもそもお酒をやめられないのに、スマホを見るのをやめたり、糖質を制限したりするのは難しいでしょう。それほど我々の身の回りには依存性のある不健康なものが大量に存在しているのです。
本当の健康とは何なのか、本当の幸せとは何なのか、こういうことを真剣に考えていかなければ、いつか体を壊し、心を病み、人が離れていきます。
きっと僕はこれからも禁酒の効果を実感し続け、自分の人生をさらに健康的で、豊かで、幸せなものに変えていきます。
これを読んでいる人はもしかしたら、「お酒をやめたい」と考えている人かもしれません。
そうであるなら、きっとお酒が体に悪いということを理性では分かっているのでしょう。あなたのその考えは間違いありません。お酒とは食品でも嗜好品でもなく、アルコールという依存性薬物を含んだ液体です。快楽を得る代償に、間違いなくあなたを不健康にします。
この際はっきり言いますが、お酒を販売する目的は消費者の幸福ではありません。目的は税収、彼らが必要なのは金です。お金のためなら国民が不健康になろうが関係無いのです。そしてその責任も彼らにはありません。依存性のある薬物を合法にしておきながら皮肉な話ですが仕方ありません。彼らからすれば全ては自己責任なのですから。
最後に、お酒をやめて後悔する事はありません。
僕はこんなにもお酒を飲まない生活に満足しています。本当の幸せを一歩一歩踏み締めて人生の上り坂を歩んでいます。アルコールで得られる単なる脳内物質による偽りの快楽ではなく、自分の人生を自分でコントロールしているという達成感に浸っています。
今からでも遅くはありません。いえ、今が残りの人生において一番早いタイミングです。
僕たちは「死」という終わりに向かって一方通行で進むしかありません。今が最も死から遠く、1分経てば全ての人間が1分死に近づくのです。
だから行動するのは早い方がいい。遅くなれば遅くなるほど、待っているのは後悔だけです。
僕と一緒に幸せな人生を掴み取りましょう。あなたの幸せを心からお祈りしています。
今回も最後まで見ってくださってありがとうございました。
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