子供は悪いことをしているのか

【子供は悪いことをしているのか】
子供は、大人にとって不都合な行動を取ることがあります。
しかし、それが「悪い」かどうかは別問題です。
僕は10年近く体操の指導員として活動をしているので、体操の指導で例えてみます。
レッスン中、体操以外の物事に注意が反れてしまえば、それは体操の先生にとっては都合が悪いことかもしれません。
しかし、子供が悪い行動をしているかといえばそれは違います。
彼らはその時、体操以外の物事に興味を持ち、それを純粋に経験しているだけなのです。
もちろん、その行動が誰かの迷惑になっているとしたら、それは「悪い」ことなので伝えます。
「体操の時間に体操以外のことをするなんて勿体ない」という意見はごもっともです。
ですが、体操に興味が向いてない時に、強制的にやらせても意味が無いのです。
なのでおおかわ体操クラブでは、全体で行っている練習以外のことに興味を持ってしまった生徒を認めます。
「ボルダリングやりたいの?そうか、いいよ。」
「鉄棒やりたいの?わかった、いいよ。」
「虫がいたの?よく見つけたね。」
「一回やったら戻っておいで」と伝えます。
そして、たまに僕の前から全員いなくなります。笑
それでも数分経てば、叱らずともみんな戻ってきて体操をやります。
小学生のクラスではあまり見られませんが、幼児のクラスではよくある話です。
経験上、叱ってやらせていれば、叱らないとやらなくなります。
僕からすれば、それは指導しているのではなく、「楽」をして負債を積み上げているだけです。
決して子供の将来の可能性を広げることには繋がりません。
言うことを聞かせるだけなら大きな声でこう言えばいいのです。
「体操の時間だぞ。やらないなら帰りなさい。」と。
全くもって正論です。反論の余地はありません。
大抵の子どもは黙って言うことを聞くでしょう。
では、果たしてこれは生徒自身の判断で「体操をしよう」と決めたことになるのでしょうか。
僕はそうは思いません。
とは言え、伝え方に正解はありません。その都度工夫をしていくしかないでしょう。
問題は伝え方では無いのです。
子供の行動が大人にとって都合が悪いとき、「子供は悪くない」という前提を持つことが大切だということです。