喜びのリレー
【喜びのリレー】
僕が人生で出会った先生は寛大な方々ばかりで、いつでも僕を信じ、導いてくれました。
例えば、小学校高学年の頃の担任のM先生は、とても優しい男性の方でした。
ある日僕は、弟と歩道を歩いている時に、正面から走ってくる車の影をジャンプして飛び越えるという遊びをしていました。
弟と手を繋ぎ、「今だ!跳べ!」と、小学校から家までの帰り道を楽しんでいたのです。
次の日、M先生が僕に話しかけてきました。
「昨日、弟くんと車の影をジャンプしてたでしょ。もう可愛くて、可愛くて。」
高学年の男の子が「可愛い」と言われても普通はそんなに嬉しくないのかもしれません。
でもこの時の僕はとても嬉しかったんです。
なぜかというと、M先生が僕たち生徒のことを心から愛しているということが伝わってきたからです。
いつだか僕がお弁当を無くしてしまった時も、自分の持っていたおにぎりを僕にくれました。
これは本当におにぎりなのか?と思うぐらいカッチカチだったのですが、それもM先生らしくて印象的です。
僕はこれまで、本当にたくさんの方に助けられ、愛されて成長してきました。
今思い返しても、自分は出会う人々に恵まれていたと感じます。
さて、人生はバトンリレーのようなものです。
人にしてもらった喜びを、次の人に渡していくリレーです。
人にされて嬉しかったことを他の人にすることで、その人も嬉しい気持ちになってくれたら、どんどん幸せが増えていきます。
これってとても素敵なことですよね。
「迷惑になるかもしれない」と想像して行動しないなんて、勿体無いことです。
人生とは、喜ばせ合戦なのですから。
たくさんの先生が僕に喜びを与えてくれたように、僕はこれからも、教え子たちに喜びをプレゼントしていこうと思います。