5カ月禁酒するとどうなる?
2024年4月9日、お酒を二度と飲まないと決断してから、5ヶ月が経過しました。
今となっては「飲まない生活」が当たり前。コンビニの飲み物コーナーを通っても、スーパーのお酒コーナーを横切っても、「お酒が飲みたいー!」という強い感情は無くなりました。
それでもまだ、「お酒を飲んだらいい気分になれる」という記憶は残っています。辛いこと、悲しいことがあった時、大変な仕事が一段落した時、おめでたいことがあった時、もっともらしい理由でお酒を飲めたらどんなに楽か、そんなことが頭をよぎります。
それでも決して、再びお酒を口にすることはありません。その快楽が条件付きの、それどころか多大なるリスクの上にあることを理解しているからです。
そしてお酒を飲まない生活がどれだけ素晴らしいものなのかを知ってしまった今、僕はこれからもお酒に手を伸ばすことは無いでしょう。
今回はお酒をやめて5ヶ月たった僕の人生に、どのような変化があったのかをご紹介していきます。
生活リズムが整った
お酒を飲む"時間"が無くなった、というのは僕の人生において、とてつもない恩恵をもたらしました。
当時の僕に限らず、お酒を飲む人の多くは、仕事や家事など、その日にやらなければならないことが終わって就寝する前に飲酒をするのではないでしょうか。
中には食事と一緒に嗜んで、早く寝るという人もいるかもしれませんが、僕は前者の人間でした。
僕の場合、平日の仕事が終わって家に帰ると21時半ごろです。それから食事をして、お風呂に入ると22時半。お風呂上がりに冷蔵庫からビールを取り出して飲み始め、スマホで動画を見ながらリビングの椅子に座るのが定番です。
正直、23時には寝室に入りたいという理性はあります。そうすれば朝起きる時に眠たい思いをすることもありませんから。ですが、その理性に抗う感情が湧き上がってきます。
欲望です。
もっと動画を見ていたい。もう一本飲みたい。
そうして気がつけば時刻は日付を跨ごうとしている、、、。そんなことが度々ありました。
お酒が足りなくなると、追加でビールを買いに行く日もありました。
「今日は頑張ったからいいんだ」「今日は嫌なことがあったから仕方ないんだ」と、それらしい理由をつけて。
「今日ぐらいは」「明日は休みだし」そうやって結局それが習慣になっていきます。
その結果僕は週に4日、1回の飲酒の平均は500mlの缶ビールを3本程度というのが習慣化し、それによって寝室に入るのは0時前後、朝は7時前後に眠たい目をこすり起き上がるという始末でした。
しかし、お酒をやめてからは違います。
お酒を飲む時間、深夜にスマホを見る時間、夜食を食べる時間、それらが一切無くなりました。
さらに、仕事を早くに切り上げ、できるだけ早く家に帰ることで、22時頃には寝室に入ることもできるようになりました。
ちなみに仕事が無くて夕方から家にいる時は、息子たちを寝かしつける20時半に、そのまま寝てしまいます。
現在、僕の平均起床時間は5時です。早ければ4時半に本を読み始めていることもあります。
21時に寝れば、5時に起きたとしても8時間の睡眠が確保できますので、一切の苦はありません。
むしろ飲酒によって睡眠の質が下がれば、8時間寝たとしても十分な休息にはなりません。2時間早く起きることになっても、結果的に僕は以前に比べてよく眠れているわけです。
さて、早起きをすると1日のスケジュールに余裕が生まれます。
早めに仕事に取り組むことも、趣味に時間を充てることも、ご飯の準備やその他家事を済ませてしまうこともできます。
バタバタと身支度をしたり、のんびりしている息子たちを叱ってイライラすることもありません。
以前までは、6時半ごろに起きて息子たちの朝ごはんの支度と保育園の荷物の準備をしたり、お着替えをさせたり、とにかく慌ただしい毎日でした。8時にお迎えのバスが来てしまいますから、とにかく時間がありません。
7時には息子たちを起こさなければなりませんが、なかなか布団から出てくれないこともあります。「起きてくれないと何も進まないのに!」とイライラしますが、6時半に起きてきて「抱っこ〜〜!」と泣かれても、それはそれで他の家事が進まずにイライラします。
しかし5時に起きるようになってからはどうでしょう。そんな悩みは一切無くなりました。
起きるとすぐに、顔を洗ってコーヒーを淹れます。そしてコーヒーを飲みながら読書をし、天気が良ければ20分ほど散歩をしたり、ブログの執筆をしたります。保育園の荷物の準備も済ませてしまい、息子たちが起きる時間が近づいてきたら朝食の支度を始めます。
6時半ごろになると自然と息子たちが起き始めます。僕がすでに活動を始めているせいか、早ければ6時ごろに起きてくることもあります。7時まで眠っていることは滅多に無くなりました。
僕はすでに自分の物事が全て済んでいますので、慌てることなく息子たちに声をかけます。
「おはよう。今日も早起きだね。」「自分で起きてくれたんだね。」と。
気が済むまで抱っこをしてあげて、息子たちが自分で遊び始めてから、朝ごはんの準備の続きをし、出来上がったら「ご飯だよー」と息子たちに伝えます。
時刻はまだ7時です。ご飯を食べるのが遅くても、叱って食べさせることはしませんし、お着替えがゆっくりでも焦ることはありません。
夏休みでバスのお迎えが遅い日には、近所の林で虫取りを30分ほど楽しんで、一汗かいてからバスに乗るぐらい時間に余裕がありました。
こんなにゆとりのある朝の時間を過ごせるようになったのは、間違いなく寝る前の飲酒をやめたからなのです。
思考がクリアになった
お酒をやめたことで僕は頭が冴え渡る感覚を実感するようになりました。集中力が増し、仕事の効率が上がって、複雑で頭を使う作業が苦で無くなったのです。
朝の目覚めが良くなったことで、早朝の頭のキレは最高です。
ちなみに僕は、アルコールを分解する能力が遺伝的に強い方なので、飲んでいても顔が全然赤くなりませんし、二日酔いにもなりにくい体質でした。数年前には500mlの缶ビール6本といも焼酎のソーダ割りを数杯飲むような生活を毎日続けていた時期がありましたが、それでも朝は普通に起きて出勤していました。
だからこそ僕は、「自分は酒に強い方だから、たくさん飲んでも大丈夫」「日常生活に支障はない」と考えていたのです。
しかしそれは完全に間違いでした。
確かにアルコールを分解する力は強いかもしれませんが、それは影響が無いわけではなく、お酒に弱い人に比べると影響が少ないだけの話です。大量に飲み続けていれば確実に身体に悪影響を及ぼします。そんなことは当然なのです。
僕は日常的に飲みすぎており、今まで長期的な禁酒をしたことが無かったので、"飲まない状態"がどれほどのパフォーマンスを発揮するのかを知りませんでした。
全くもって、愚かな話です。
飲まない経験をしていないのにも関わらず、自分は大丈夫、なぜなら、お酒に強い方だから。今の状態が最高に決まっている。と決めつけていたのですから。
当時の僕は自分の脳が正常だと思っていました。しかしそんなはずはありません。アルコールは脳機能を低下させるのです。
これは様々な研究結果から、科学的に証明されており、長期的な過度の飲酒に至っては脳を萎縮させることも分かっています。そして萎縮してしまった脳は断酒によって改善する可能性もありますが、その他生活習慣やしっかり脳を使う(考える)機会が無ければ断酒をしても脳は元に戻りません。長期的な飲酒と、高齢であるという要素が重なれば、まず脳萎縮が改善する見込みはほとんどありません。
皆さんは「アルツハイマー病」をご存知でしょうか。
脳が萎縮し、記憶や思考能力がゆっくりと障害され、最終的には日常の最も単純な作業を行う能力を失い、愛する人の名前や顔といったかけがえのない記憶すら忘れてしまう恐ろしい病です。
飲酒とアルツハイマー病を比較したり、結びつけようとしているわけではありません。
ただ、脳が萎縮するということが、どれほど恐ろしいことなのかということを分かっていただきたいのです。
僕がお酒をやめたのは31歳です。
10年以上、お酒を飲み続けてきました。前途したように、浴びるように飲んでいた時期もありました。きっと取り返しのつかないほどのダメージを脳に与えていたでしょう。
過ぎてしまったことは仕方ありません。むしろ、31歳でこのような決断ができたことを、喜ぶべきかもしれません。
僕たちが変えられるのは今、この瞬間からの行動だけです。僕はあの日決断し、被害を食い止め、現在その効果を実感するに至りました。皆さんはどう行動しますか。
健康意識が高まった
僕が断酒を決断したエピソードがあります。
実はお酒をやめるかなり以前から、アルコールの危険性を知っていましたし、「お酒をやめたいなー」という思いはありました。それでもなかなかやめる決断ができずにいました。
すでに僕はアルコール依存症だったからです。
僕は個人事業主として体操クラブを個人経営する上で、自らのブランド価値を高める努力をしていました。
YouTubeを活用して知名度を上げるなどのマーケティング的なことはもちろんですが、そういうこと以前に、僕を信じてお子様を預けてくださる保護者の方々や僕に毎週会いにきてくれる子供たちに、最高のパフォーマンスで最高のレッスンを提供することこそが最も重要だと考えていたのです。
そのためには、身体の健康はもちろん、安定したメンタルを作ることが必要です。
具体的に言うと、食事の栄養管理です。
お菓子やジュース、その他の糖質、人工甘味料は人体を壊し、メンタルの不調に繋がるので極力避けています。
また、炭水化物、悪質な油の過剰摂取を避けたり、コンビニのお弁当や菓子パン類、ファストフードの量を減らし、外食先でも体に悪いものはできるだけ口にしないようにしていました。
例えば、白米、パン、うどん、ラーメン、焼きそば、パスタ、ピザといった「主食」と呼ばれるものは、こればかり食べていたら非常にバランスが悪く不健康です。
炭水化物=食物繊維と糖です。これに加え、油(オメガ6系)や過剰な塩分、調味料としての糖分、さらにデザートを口にしてしまったら、完全に糖が過剰な状態になります。
対してビタミンやミネラル、タンパク質、オメガ3系の油が不足し、体はボロボロになり、メンタルの不調にも繋がります。
こういったことを、僕はお酒をやめる前から心がけて生活していました。
しかし、ある日妻に言われてしまったのです。
「それだけ健康に気を遣っているくせに、お酒は飲むんだね。」と。
返す言葉もありません。
僕は「お客様のために、自分の体調を万全にする」などと綺麗事を言っておきながら、アルコールを摂取し続けるという矛盾を犯していたのです。
もちろん、糖質制限や口にする食材を厳選することは大切です。しかし、健康でいたいのであれば、お酒というものは最優先に排除すべき要素です。アルコールは薬物、毒なのですから。
そして僕はお酒をやめました。
健康でいたいのに酒を飲む、という矛盾を振り払ったのです。
これによって、本当の意味で健康的な生活を始めることができました。
栄養管理だけでなく、早寝早起きの習慣、勉強の習慣、家族との時間の確保などをより意識するようになったのです。
メンタルが安定した
これは一つ前の項目に関連する話です。
精神的にパフォーマンスが低下する(メンタルが落ち込む)要因は何でしょうか?
多くの人は「嫌なことがあった時」と答えるでしょう。
それは違います。
精神が安定していれば少しぐらい嫌なことがあってもパフォーマンスは低下しません。
精神的パフォーマンスが低下する要因は、『不一致』です。
具体的に言いましょう。
僕の場合、「健康でありたい」と願い、そのために様々な工夫や努力をしているのにも関わらず、飲酒と言う不健康極まりない行為を続けている。これ以上の不一致があるでしょうか。
他にも例えば、ダイエット中なのにケーキを2個も食べてしまった、とか。好きな子がいるのに告白できない、というのもそうです。
人は思いと行動が一致しないとストレスを感じます。
それは自己肯定感を下げ、不安を増幅させ、メンタルを脆くしてしまうのです。
そして何より、飲酒と言う行為そのものが、精神的パフォーマンスを低下させる決定的な要因です。
アルコールは脳の機能を低下させると前途しましたが、それは「うつ症状」を引き起こすことにも繋がります。また、がんや肝臓疾患、循環器疾患を発症すれば間接的にも精神的ダメージを受けるでしょう。
そして飲酒をすると満腹中枢が麻痺し、アルコールの分解を促進するために食欲が増します。夜食をしてしまう原因にもなるので、糖質や脂質の過剰摂取といった栄養の偏りによって、これまたメンタルの不安定が引き起こされます。
さらに、アルコールを摂取すると脳内でドーパミンという快楽物質が分泌されます。これによって人は幸福感を得ることが出来るのですが、もちろんこの状態がずっと続くわけではありません。
アルコールが抜けると不安感や喪失感を感じ、再びアルコールを摂取することでこれが収まります。この反応は飲酒量が多い人ほど強く現れます。
本来ドーパミンは目標を達成した時や本当に嬉しいことがあった時などに脳内で分泌されるものです。それを簡単に口腔摂取でドパドパと出していればしっぺ返しを食らいます。
ドーパミン受容体が耐性を獲得して、同じ量のアルコールでは幸福感を感じなくなったり、飲酒以外の物事で幸福を感じることが出来なくなってしまったりします。
長期的に過度の飲酒を続けていれば、お酒を飲まない状態が耐えられなくなります。毎日が不安で不安で仕方なく、身体が重くて全身に力が入らず、頭が痛い、もっと重症になれば手が震えたり幻覚を見たりと悲惨な結末です。
僕は幸いなことに、取り返しのつかない状態になる前にお酒をやめることが出来ました。
引っかかっていた矛盾を振り払い、禁酒による禁断症状を乗り越えて、安定したメンタルを手に入れることが出来たのです。
節約になった
さて、最後はお金です。
5カ月間お酒をやめたことでいくらぐらいの節約になったのか、対した金額ではないと思いますが、興味本位で計算してみたいと思います。
僕の当時の飲酒量と金額をおさらいします。
飲んでいたビールはコンビニでも買えるKIRINの「スプリングバレー」というクラフトビールで、500ml税込363円です。
1回の平均飲酒量は3本なので、1,089円/日。
しかし、コンビニに行ってビールだけ買うわけではありません。おつまみやパン、スイーツを買うこともあります。平均して1回あたり400円程度と仮定すると、合計で1,489円/日。
1週間に4日飲んでいたので、5,956円/週。
4月9日から9月10日までは22週間あるので、131,032円。
13万!!!
思っていた以上にとてつもない金額でした。
シュミレーションなので、実際にこの金額を節約できたかどうかは定かではありませんが、もしかしたら、もっと飲酒量が増えていたかもしれませんし、何かの機会に飲み会に参加したり、外食先でお酒を飲むこともあったかもしれません。
そう考えると、この13万円という金額が15万、20万と膨らんでいた可能性もゼロではありません。
何はともあれ、僕の場合は5カ月間の禁酒で多くのお金が節約できたことに間違いはありません。
そしてこれから先の未来、酒税が高くなるかもしれませんし、原材料費の高騰によって商品自体の値上がりも考えられます。もしもお酒を飲み続けていたとしたら、長期的に見た時、相当の出費になることは確実でしょう。
日本という衰退する国で生活する以上、お金の使い方は慎重に考えていかなければなりません。この話は今回の話題とは関係ないので触れませんが、僕たち日本人は、今お酒にお金を浪費している場合では無いのです。
搾取され続ける上に、健康まで手放すなど、決してあってはなりません。
僕たちはもっと真剣に飲酒と向き合っていかなければならないのです。
最後に
さて、今回は「5カ月禁酒するとどうなる?」と題しまして、僕の人生が禁酒によってどう変化したかを以下の5つの視点からお話ししました。
①生活リズムが整った
②思考がクリアになった
③健康意識が高まった
④メンタルが安定した
⑤節約になった
はっきり言って、僕の人生は劇的に変わりました。
お酒を飲んでいた当時の僕は、今思い返せば余裕が無かったです。
それは独立起業したばかりで大変だったからとか、子供が生まれて大変だったからとか、そういうことは関係ありません。
明らかにお酒に支配され、操られていた人生だったのです。
お酒をやめたことで、本当の幸せに気づくことが出来ました。仕事にもさらに前向きに、スピーディーに取り組むことが出来るようになりました。
先日妻が3人目の出産を終え、0歳、2歳、3歳の息子たちが家にいます。ティラノサウルス2頭と新生児の世話はそれはそれは大変です。
でも心には余裕があります。
妻が出産のため入院していた4日間も、2人の兄弟の世話をしながら、仕事と家事を楽しくこなしました。
「4日間程度で何を言う」などと思わないでください。
この4日間もワンオペで食事の準備をして洗濯や掃除、保育園の荷物の準備、生まれてくる赤ちゃんを迎えるためのベビーベッドの組み立てや哺乳瓶の洗浄、それに加えて仕事と、大変でした。
僕が言いたいのは、そんな4日間でも「苦しくは無かった」と言うことです。
そしてその期間を迎えるにあたっての不安もありませんでした。「俺ならきっとできるだろう」とただそれだけでした。
こんな丈夫なメンタルを手に入れることが出来たのは、間違いなくお酒をやめたからなのです。それ以外に変えたことは無いのですから。
最期に、僕はお酒を飲む人を否定しません。
飲みたい人は飲みたいだけ飲めばいいと思います。
ただ、もしも全く知らずに飲んでいるとしたら、原因不明の体調不良に悩んでいるのだとしたら、漠然とした不安に脅かされているのだとしたら、それはとても悲しいことだと思います。
僕が言いたいのは、お酒にはしっかりとリスクがあるということです。少なすぎるリターンに対してとてつもなく重大なリスクです。
そして同時に、お酒をやめれば今よりも確実に幸せになれるということです。
どうか、アルコールを飲むことが幸せという状態に違和感を持っていただきたい。
それでも、リスクを知ったうえで飲むという人に僕は何も言いません。
お酒を飲む人を軽蔑したりも決してしません。
大切なのは知ることです。
知ったうえで、自分の人生は自分で決めていけばいいのです。
僕は飲まない選択をしました。
あなたはどんな選択をしますか。
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