お酒を半年やめると?

もしもこの記事を読んでいる人の中に習慣的にお酒を飲んでいる人がいるとしたら、想像してみてください。自分が半年間お酒を絶った時、どのような未来が手に入るかを。
それはあなたに想像以上の変化をもたらすことになります。
人生が変わってしまうほどの変化です。

僕は2024年4月9日にお酒をやめました。
これを書いているのは10月4日、気がつけば半年もの間一切アルコールを口にすることなく過ごしてきました。
今回は、半年間の禁酒で僕の心がどのように変化したのかをお話ししたいと思います。

生活習慣や体調がどのように変化したかについてはこちらの記事で紹介しています↓

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自分への信頼こそ幸福の証

少しだけ、自信と幸福の関係についてお話しさせてください。
自分を信じると書いて「自信」といいます。
僕が運営している体操教室の最高最大の目的は「自信を持った人間の育成」です。「体の使い方が上手くなる」とか、「協調性を身につける」などということも体操教室に通うメリットであることに間違いはありませんが、それは最終目的ではありません。

なぜそれほど自信を持つことにこだわるのかというと、自分を信じる気持ちこそ人生の幸福そのものだからです。
「自信」は例えば次のような具体的な表現ができます。
・私ならきっと何とかなる
・私なら必ず成し遂げられる
この感情は、人生のあらゆる困難を乗り越え、未来の成果を掴み取り、他者からの信用を得るために重要なものです。
失敗しても挫けず、何度でも立ち上がり、他者からの批判にも屈さない心のベースこそ「自信」なのです。
だからこそ僕は、子供に自信を持たせることを事業における最大の目的にしています。

禁酒によって得た自信

僕がお酒を半年間やめることで手に入れた心の変化は、さらなる自分への信頼であります。
なぜ禁酒が自信に繋がったか、その要因は3つあります。

まず一つ目は、アルコール依存症からの脱却です。
「アルコール依存症」と聞くと、禁断症状で手が震えているような人を想像するかもしれませんが、それは重症の場合です。「お酒を飲まないと虚しい」「お酒が飲めない生活なんて何が楽しいんだ」という感情が浮かんでくるとしたら、それはアルコールに依存している状態に他なりません。
かくいう僕もそういう状態でした。
遺伝的にアルコール耐性が強かった僕は、お酒をいくら飲んでも顔が赤くなりませんし、500mlの缶ビールを6本と焼酎を数杯飲む生活を毎日続けていた時期も朝は難なく起きられる体質で、手が震えるようなこともなく、体調に不満もありませんでした。
しかし、お酒を飲まない生活を想像した時に強い喪失感を覚えたのです。
もしも僕がアルコールに依存していなかったとしたら、やめる時に喪失感など浮かんでくるはずがありません。

依存というのは、"何か"に寄りかかっているイメージです。その"何か"が無くなったら自分で自分を支えられないので、常に体を預けるしかないのです。
そんな状態から抜け出すためには自らの足に力を込め、自分を支えている"何か"を手放さなくてはなりません。
僕は、自らの衰えた足腰に再び喝を入れ、ようやく自分の足で立つことができたと感じています。依存の対極にある概念、そう「自立」を果たすことが出来たのです。

2つ目は、自分の人生をコントロールしているという実感です。
多くの人は自分の人生を自由にコントロールする中で「お酒を飲む」という選択をしていると思っているかもしれません。僕もそう思っていました。
しかし本当は違います。飲酒が習慣化しており、それをしなければ落ち着かない状況になっているだけです。
習慣化している物事が、健康的なものであったり、自分の人生を豊かにするものであれば最高でしょう。
一方、その物事が健康に悪影響を与えたり、人生を不幸にするものであるとしたら一刻も早く手放さなければならないはずです。
多くの人は飲酒が健康に悪影響をもたらしていることを理解しています。これは後ほど書きますが、誰が何と言おうとアルコールは体に有害です。
それなのに飲酒を続けてしまう理由は他でもなく、お酒に人生をコントロールされているからなのです。
僕は飲酒という悪習慣を絶つことで、自分の人生をコントロールしている実感を得ることが出来ました。

3つ目は、健康になったという実感です。
僕は先ほど、「飲酒をしていても体調に不満を感じたことは無かった」と書きましたが、これは本当です。
朝起きることも苦ではありませんでしたし、仕事のパフォーマンスも好調、頭を使う作業にも集中して取り組めていました。
僕は飲酒をしてはいましたが、まったく不健康である自覚が無かったのです。
このように聞くと、「飲酒は別に悪くないのでは?」と感じてしまいますが、これには訳があります。あまりにも情けない、失望するような理由です。

僕は成人してから10年以上、ほとんど毎日欠かさずお酒を飲み続けてきた人間です。
そんな人間が「不健康である自覚は無い」と言っているのです笑。こんなに滑稽な話があるでしょうか。
僕は飲酒をしなかった場合の自分の体調を知りもせずに、自分のコンディションは万全だと大口を叩いていたのです。
案の定、僕はお酒をやめたことで自分が今までどれだけ自らのパフォーマンスに制限をかけていたかを痛感しました。
「お酒をたくさん飲んだって朝は寝坊せずに起きれるのだから問題ないだろう」と思っていました。確かにそれは事実ですが、お酒を半年間やめた僕の朝の目覚めの良さは当時の比ではありません。
現在僕は4時半~5時すぎにかけて自然に目が覚めます。「自然に」と言うぐらいですから、もちろんアラームはかけていません。
顔を洗い、コーヒーを淹れ、読書をして、ブログを執筆し、息子たちの朝ごはんの支度と、最近ハマっているスムージーの仕込みをするのが朝のルーティーンです。これだけやってもまだ7時です。
日中の思考はクリアになり、アイデアが沸き、行動力が漲り、さらに体力が向上しました。
要は、僕が今まで万全だと思っていた体調は、本来のパフォーマンスには程遠かったということです。

このように僕は、アルコール依存症から抜け出し、自分の人生をコントロールしている実感を得て、健康的な本来の体調を取り戻すことで、さらに自分に自信を持つことが出来ました。
禁酒が僕の人生を変え、本当の幸福を知るきっかけになったことがお分かりいただけたでしょうか。

お酒は体にいいという間違い

「お酒は少量であれば身体に良い」という考えを持っている方にこの話を聞いてほしいと思います。
例えば、「ビールは健康に良い」という主張は見方によっては間違いではありません。ビールの原材料である「大麦」「ホップ」「酵母」には、食物繊維、ビタミン、ミネラル、タンパク質などの良質な栄養素が含まれているからです。
しかし、「ビールは健康に悪影響を及ぼさない」と言えばウソになります。なぜなら、『アルコール』が含まれているからです。アルコールは人体にとって非常に有害な薬物です。どれだけ大麦やホップが健康に良いとはいえ、同時にアルコールを摂取していたら、その健康効果など一瞬にしてチャラになってしまいます。
また、「ワインは身体に良い」という話を聞いたことがある人は多いと思います。
ワインには「ポリフェノール」や「レスベラトロール」といった成分が含まれており、これらの適切な摂取によって抗酸化作用や抗炎症作用など、健康的な効果を得ることが出来ます。
しかしこちらも考え方は同じです。ワインにはアルコールが含まれています。しかも、アルコール度数はビールよりも圧倒的に高いため、確実に不健康であります。

では、なぜアルコールが有害だと断言できるのでしょうか。
アルコールを摂取した時に身体でどのようなことが起こるのかを「分解」の視点から簡単にお話しします。
体内に入ったアルコールは胃や腸から吸収、血液を通って肝臓に集められ、酵素によって分解されます。
この分解には2つのステップがあり、ステップ①でアルコールを「アセトアルデヒド」という物質に分解し、ステップ②でアセトアルデヒドを「酢酸」に分解します。
そして酢酸は全身の筋肉などの組織によって二酸化炭素と水に分解され、尿などの形で体外に排出されるわけです。
問題なのはステップ①で発生した「アセトアルデヒド」です。これは発がん性を持つ物質で、強い毒性により臓器に深刻なダメージを与えます。お酒に弱い人はこのアセトアルデヒドを分解する酵素の量が少ない(ステップ②の力が弱い)ために、疲労や頭痛、吐き気、目まいなどの症状を引き起こします。この症状が長時間続き、寝て起きた後も改善されない状態が「二日酔い」です。
アルコールの分解は1サイクルで完結するものではありません。肝臓を中心とした全身の組織を酷使して何度も上記のサイクルを回し、ようやくアルコールという毒物を体外に排出することができるのです。

よく議論される内容に、お酒が強い人(アセトアルデヒド分解酵素を遺伝的に多く持つ人)が少量の飲酒を行うのであれば人体に悪影響は無いという主張がありますが、これも間違いです。
どんなにお酒に強い人でも、分解の過程で必ず有害なアセトアルデヒドが発生します。そして前途したようにアルコール分解の過程は1サイクルで完了しません。肝臓で分解しきれなかったアルコールとアセトアルデヒドが再び血中に流れ、心臓を通って血管に運ばれ、また肝臓に送られ分解するというプロセスを何度も繰り返します。
もう少し具体的にお話ししましょう。
厚生労働省が公表している飲酒適量の範囲内である瓶ビール500mlには純アルコール20gが含まれています。一般的に20gのアルコールを分解するのにかかる時間は4〜5時間とされており、お酒に弱い人であればその何倍も時間がかかってしまい(これによってアセトアルデヒドによる影響を受けやすく、頭痛や目まいなどの症状が強く現れ、二日酔いになりやすいのです。)、強い人であれば半分程度まで時間を短縮できると言います。
これを踏まえた上で、血液が全身を巡って再び心臓に戻ってくるのにかかる時間がどの程度かご存知でしょうか。
答えはおよそ30秒です。
つまり、分解に4時間かかるとしたら、全身の血管を480回巡ってようやく20gのアルコールを分解し終えることができるわけです。
その間、アセトアルデヒドという猛毒が何度も全身の血管を駆け巡るのです。
さらに、肝臓はアルコールの分解のために過酷な労働を強いられます。その間本来の機能を十分に果たすことができません。
「肝心」という言葉がある通り、肝臓の役割は我々が生きる上で非常に重要です。肝臓は免疫、代謝、エネルギー、消化、栄養などに関わり、先ほど挙げたような毒素の排出という役割も担っています。その重要な役割が効率よく果たせなくなってしまえば、人体に様々な支障をきたすことは言うまでもありません。
よって、どんなにお酒に強い人であっても、どんなに少量であっても、アルコールを摂取することは健康に悪影響であることは明白なのです。

どう生きるか

僕はこれまで様々な書籍を通じて、「幸福な人生」について考えてきました。やりがい、趣味、人間関係、健康、お金、文化や歴史、さらには「幸福とは何か?」と言う哲学的な視点についても学んできました。
自分なりの幸せを手に入れるために、少しづつ生活習慣を変えていきました。早起きをしたり、摂取する栄養に気をつけたり、夫婦関係や親子関係を良好にするためのコミュニケーションスキルを実践したりなどです。
そうして人生をアップデートしていく中で、ついに僕は避けては通れない大きな壁に突き当たりました。

「お酒を飲んでいて、本当にいいのか?」という疑問です。

僕は「幸せになりたい」と考えていながらお酒を飲んでいるという現状に、強烈な違和感を感じました。
「飲酒は幸せになりたいと思っている人間の習慣じゃない!」改めてそう思ったのです。

僕の職業は指導者です。
指導者とは生徒を教え導く存在です。
子供たちに対して、こんな問いかけをすることがあります。
大川:「練習をする人と、しない人。どっちが上手になるの?」
生徒:「する人。」
大川:「そうだよね。」「みんなは上手になりたい?」
生徒:「なりたい!」
大川:「じゃあ、どうする?」
生徒:「練習するー!!」

ではこのように言葉を当てはめたらどうでしょうか。
「お酒を飲む人と、飲まない人。どっちが健康になるの?」
「飲まない人。」
「健康な人と、健康じゃない人。どっちが幸せなの?」
「健康な人。」
「そうだね。君は幸せになりたい?」
「なりたい!」
「じゃあ、どうする?」
「お酒を飲まない!!」

お酒を飲む人が不幸だという話をしているわけではありません。同様にお酒を飲まなければ必ず幸せになれるという話でもありません。
僕の考えはこうです。
一人の人間において、「お酒を飲む人生」と「お酒を飲まない人生」を考えた時、後者の方が全体としての幸福度が高いということです。
「いや、お酒を飲まない方が不幸だろ!」という考えが浮かんでくるということは、それはお酒に依存しているということです。
お酒を飲んだ時に幸せな気持ちになれることは僕も知っています。そのメカニズムもよく理解しています。
ですがそのひとときの幸福のために、失う健康のことを想像してほしいのです。リターンに対して、あまりにも大きなリスクです。

僕は「飲まない」人生を生きると決めました。それによって圧倒的に幸福になりました。アルコール摂取によるドーパミンの分泌という脳神経的な幸福ではなく、自信に満ちた本物の幸福を手に入れました。

皆さんはどう生きますか。

絶対にお酒をやめたい人が見るべき最強の禁酒メソッドはこちらの記事でご紹介しています↓

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