畏敬の念

【畏敬の念】
カリフォルニア大学の研究チームが、200人の学生を対象にある実験をしました。
一日の出来事と感情の変化を毎日細かく記録させ、その感情と体調の関係を調べたのです。
すると、”ある感情”を体験した回数が多い者ほど、心理的な不安や体内の炎症レベルが低いという事実に行きつきました。
その感情が「畏敬(いけい)の念」です。
これは簡単に言うと、何か自分の理解を超えるような対象に触れた際に湧き上がる、鳥肌が立つような感覚のことです。
例えば、オリンピックで世界新記録が出る瞬間を見た時や、極地で壮大なオーロラを目の当たりにした時など、心の底から感嘆できれば、それは「畏敬」です。
また、スタンフォード大学が2700人を対象に行った別の実験でも、「畏敬」を感じやすい人ほど、親切な行いが多いという研究結果があります。
つまり端的に言えば、自分がちっぽけな存在だと思えるほど感動できる物事に触れることで、ストレスが減り、健康になり、良い人になれるということです。
では、どのような物事に触れれば、心の底から感嘆し、畏敬の念を感じることができるのでしょうか。
そこで3つのカテゴリーをご紹介します。
「自然」「アート」「偉人」です。
まずは自然です。
絶景を見るということに限らず、宇宙や人間の謎、量子論や進化論、相対性理論などを学ぶことも、自然の一部だと言います。
また、森林や大海などの大自然の映像を見るだけでも、我々は畏敬を感じることができます。
次にアートです。
音楽、映画、絵画、演劇において、高度な創作性を持つものは、私たちに人間を超えたかのような感覚を与えてくれます。
そして、偉人です。
アインシュタイン、エジソン、ウォルト・ディズニーといった歴史上の偉人はもちろん、現役のスポーツ選手やタレントなど、カリスマ性を備えた人物が世の中にはいます。
書籍でも、映像でも、自分が思わず感動してしまう人物に触れれば、畏敬の念を感じることが出来るでしょう。
このように、畏敬の種は世の中に無数に散らばっています。
世界の大きさを感じ、健やかな心を手に入れられたら、これほど素晴らしいことはありませんね。