どうすれば子どもが体に良いものを食べてくれるのか

【どうすれば子どもが体に良いものを食べてくれるのか】
子どもには体に良いものを食べてほしい。
それは全ての親の願いです。
しかし、これは同時に子育てにおいて最も困難な課題の一つとも言えます。
フライドポテトやアイスクリームの味を知ってしまったら、子どもはそれ以外の食べ物を全然食べてくれません。
ではどうすれば良いか。
カルガリー大学准教授であり、腸内細菌と免疫の研究者であるクレア・アリエッタさんは、娘のマリソルが3歳半の時、野菜などの体に良い食べ物をあまり嫌がらなくなったことに気づきます。
そのきっかけは、マリソルに、あなたのお腹には小さな「サイキンさん」がたくさん棲んでいるのよ。と話してあげたことだったそうです。
クレアが考えた話は、とても凝っていて、一風変わっていました。
そして、体の中で起こっている本当の話を、子どもにイメージしやすく伝えたものでした。
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あなたのお腹には小さな「サイキンさん」が棲んでいるのよ。
そのサイキンさんたちはみんな、違った色や形をしていて、みんなで歌を歌ったり、パーティーをしたりしているの。
みんなマリソルのお腹に棲んでいるのがとにかく大好き。
サイキンさんたちは本当にマリソルのお腹をおうちだと思っていて、世界で一番幸せな小さな生き物なの。
サイキンさんたちには、とっても大切なお仕事があるのよ。
たとえば、マリソルが食べたものを刻んで、とても小さなカケラにしてくれる。
そうなると食べ物は体の他の場所にも届くので、マリソルは大きくなれるの。
マリソルの小さなサイキンさんたちは、うんちも作ってくれるし、病気になったときにも、元通りにしてくれるわ。
そうやって毎日忙しく仕事をするせいで、サイキンさんたちはいつもお腹をすかしているの。
そこでマリソル、あなたの出番よ。
あなたの仕事は、サイキンさんたちにエサをあげることなのよ。
エサがなかったら、サイキンさんたちは腹ペコになって、すごく悲しくなるし、死んでしまうこともあるの。
ただ、サイキンさんたちはアイスクリームとか、甘いお菓子とか、ハンバーガーやフライドポテトなんかは好きじゃないのよ。
それよりも、豆腐やブロッコリー、ケフィア、ニンジン、トマトなんかが大好きなんだって。
だからわたしたちは、カップケーキみたいにはおいしくなくても、野菜とかを食べなければいけないの。
それはあなたのためじゃなくて、サイキンさんたちのため。
あなたはサイキンさんたちのおうちで、彼らにエサをあげるのがお仕事なのよ。
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好きではない食べ物を前にしたときのマリソルの様子が変わったのはそれからすぐのことでした。
マリソルはお腹のお腹のサイキンさんたちにペットのような名前をつけたり、その姿をあれこれ想像した絵を一生懸命描いたりしました。
そして彼らにきちんとエサをやるようになったのです。
さて、いかがだったでしょうか。
この話を食事の前に聞かせたり、要点を頭に入れて寝る前に語り聞かせするのも良いですね。
<2025年2月26日追記>
1ヶ月ほど前から、我が家でもこの記事に書いたことを実践しています。
その結果、息子たちが自らの意思で野菜や魚、海藻、豆、芋などの健康的な食品を食べてくれるようになりました。
ちなみに当時の息子たちの年齢は、長男が3歳11ヶ月、次男が2歳8ヶ月でした。
伝え方はクレアがマリソルに話したものとほとんど同じで、「あなたのお腹の中にいる『サイキンさん』のために、お野菜などを食べてあげてね。」ということを強調して伝えました。
息子たちはサイキンさんのお話が大好きで、「パパ、サイキンさんのお話して。」と言ってきます。
ご飯の時には、「これはサイキンが好きな食べ物?」と聞いてきたり、「ひいろ(長男)のサイキンさん喜んでる?」とお腹を出してきます。
もう息子たちは、お腹の中に小さなサイキンさんが棲んでいて、ブロッコリーやにんじんを食べると喜んでくれることや、
アイスやお菓子を食べすぎるとサイキンさんが死んでしまうことを知っています。
これは日本むかし話にある、物を丁寧に使わないと化けて出るや、早く寝ないとおばけに連れていかれるなどといった空想の話ではありません。
もちろんこのような文化的な教養は価値ある物ですが、食と腸内細菌のエピソードは実に科学的な教養であると感じます。
書籍に書かれていた内容を紹介するだけでなく、僕自身も実践して確かな効果を実感したものです。
皆さんも是非、参考にしてみてくださいね。
引用
「きたない子育て」はいいことだらけ! プレジデント社
ブレット・フィンレー&マリー=クレア・アリエッタ著
201〜204p
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