なぜ豊かになるほど鬱病が増えるのか

【なぜ豊かになるほど鬱病が増えるのか】

2017年の厚生労働省のデータによれば、日本におけるうつ病患者数は127万人です。

これは1996年の3倍になります。

そこまで行かなくとも、なんとなく毎日が空っぽに感じたり、いつも気分が沈みがちという、軽度のうつ症状に悩む人は多いかもしれません。

しかしよく考えれば不思議です。

僕たちの生活は、昔から今にかけてどんどん豊かになっているはずだからです。

快適な室内空間、清潔な飲料水、おいしい食事、便利なコミュニケーションツールの数々、そういうものがあるにも関わらず、

精神を病む人の数は世界レベルで増え続けているのです。

その原因は、現代における食事や人々の価値観の変化、インターネットの普及による他者との比較など、様々な視点からの見方があります。

しかしながら、真の原因は分かっていません。

そこで今回は、この問題を解決するヒントになるかもしれないデータをご紹介します。

1976年、人類学者のエドワード・シエフェリンが発表したデータです。

パプアニューギニアで暮らす2000人のカルリ族に調査を行ったところ、うつ病に悩む者の数はほぼゼロだったというのです。

カルリ族の生活は、200万年前の旧石器時代と似た狩猟採集のライフスタイルです。

詳しいリサーチによれば、カルリ族のうつ病発症率は先進国の100分の1で、自殺をする者は1人もおらず、「絶望」を意味する言葉すら確認できませんでした。

また、別の研究(ダートマス大学.横断研究、香港中文大学.観察研究など)でも、

近代化された都市に住む人ほど、うつ病発症率が大幅に高いことが示されました。

ここからは、データを見た僕の意見です。

僕たちは便利で快適な暮らしを手に入れるほどに、当たり前の幸せを感じにくくなってしまっているのだと思います。

当たり前の幸せは、意識しなければ実感できません。

朝目が覚めたこと、家族がいること、ご飯が食べられること、勉強ができること。

それらに目を向けることは、精神疾患予防というだけでなく、大切なことではないかと感じた内容でした。

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