ソーシャルスキルはどのように身に付くのか

【ソーシャルスキルはどのように身に付くのか】
接客業というのは、労働者が感情をうまく制御して働くことが求められる職業です。
例えば、飲食サービス業、美容師、保育士、ホテルスタッフなどが挙げられます。
彼らは、仕事の中で理不尽な状況になっても自分をコントロールして、物事に対処していかなければなりません。
お客様からの無理な要求に笑顔で応じてこなす、激しいクレームを受けても紳士的に対応する、相手のその時の気分に応じた動きをする。
つまり、相手の立場に立ち、状況を読み取り、自分を制御しながら働く能力が必要だということです。
接客業を挙げましたが、接客を伴わない仕事においても、このような能力は社会人として必要なものです。
さて、僕たち大人の務めは、子どもたちが社会に出る前に、これらの能力を与えることです。
仕事のノウハウは、就職してからいくらでも身につきます。
しかし、上記のような社会的能力は、子どもの頃に身につけなければなりません。
そのための教育の一つが「感情の言語化」だと、僕は考えています。
「それは悔しかったね」「そんな風に言われたら嬉しいね」「あの子が怒るのも分かるね」
「どんな気分だった?」「相手はどんな気持ちかな?」
このように、親が子供の感情を読み取り言語化したり、子供自身が感情を読み取り言語化する習慣が大切になります。
さらに、どうしてほしいのか、何をしてあげたいかなど、行動に結びつけることができればさらに良いです。
また、やはり本の読み聞かせは社会的能力の形成に良い影響を与えます。
もちろん自らによる読書もです。
繰り返しになりますが、相手の立場に立ち、状況を読み取り、自分を制御する能力は、社会に出てから身に付くものではありません。
幼少期から青年期にかけて、できるだけ早いうちから培われるものです。
具体的には、親と子どもの関わり、子ども同士や他者との関わり、そして学校教育です。
僕も一人の大人として、また親として、子どもの未来の可能性を広げるために何ができるかを、精一杯考えていきたいです。