世代のギャップはなぜ生まれるのか

【世代のギャップはなぜ生まれるのか】

「自分が幼い頃は、世の中こんなに甘くなかった」

そう感じる人は多いかもしれません。

このような思いは時に、人を育てる上で大きな障壁となります。

世代のギャップが生じる原因は、世の中がどんどん便利になっているからではないでしょうか。

痛み、苦しみ、面倒事が解消され、快楽を得る新しい手段が次々と開発されています。

ですから、昔はもっと不便だったというのは確かな事実なのです。

不便であったということは、自ら工夫したり、体を動かしたり、長い時間をかける必要がありました。

また、他人と知り合ったり、協力し合ったり、愛し合ったりするのにも、大きな労力と、さまざまな障害を乗り越える根気がいりました。

便利になるということはそういった工夫や努力が、多かれ少なかれ不要になっていくということです。

したがって、上の世代から見た下の世代というのは「甘い」という感覚を持たれやすいと言えます。

例えば、両親から見た僕は、甘く見えたかもしれません。

同じように祖父母から見たら、両親だって甘く見えたでしょう。

では視点を変えて、下の世代の立場になってみましょう。

きっとこんな思いを持っているのではないでしょうか。

「それは私たちのせいではない」と。

これもまた事実です。

彼らは生まれた時代に適応したに過ぎません。

今あるテクノロジーをうまく活用して、より早く、より楽に、より刺激的に生きているのです。

親は「こんなことでは将来やっていけない」と我が子を悲観視するかもしれません。

では、世代を経るごとに人類は劣化していくのかといえば、必ずしもそんなこともありません。

僕自身も、両親には無いさまざまな能力を持っています。

僕の3人の息子たちも、僕や妻には無い時代に合ったスキルを身につけていくことでしょう。

僕たちが下の世代に対して教育をする時に大切なのは、自分たちの時代と同じようにさせることではありません。

大切なのは次の2つだと思います。

一つは、時代が変われば価値観が変わるという事実を受け入れること。

そしてもう一つは、その教えがいつの時代にも通用する本質的なものであることです。

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