主体的な子どもを育てることは可能なのか

【主体的な子どもを育てることは可能なのか】
文部科学省が教育の最上位に掲げているのが「主体的な学び」です。
もしも子どもたちが、本当に主体的に学ぶことができたとしたら、日本社会は劇的に変化するでしょう。
そもそも「主体的な学び」とは何か。
簡潔に言うと、次の4つの要素となります。
①意欲・関心
学びに意欲と関心を持ち、学習の目標や課題を自ら考え、計画を立てる。
②自主性
受け身ではなく自ら疑問を持ち、他者の意見を参考にしながら考えを深める。
③メタ認知
自分の学び方を見返し、必要に応じて学習方法を改善する。
④活用
学んだ内容を実生活に活用したり、どうすれば社会に貢献できるか考える。
これを見て何を思うかは人それぞれですが、少なくとも子どもが言われて「実行しよう」と思えるものではありません。
では不可能なのか。
そうとは言い切れませんが、非常に難しい課題であることは間違い無いでしょう。
学校教育だけでなく、家庭教育も重要になります。
いずれにしろ、大人は気合を入れなければなりません。
では、主体的な子どもを育てるためにはどうすればいいでしょうか。
ハウツー的なことを言えば、質問を投げかけるとか、考えさせる時間を与えるとか、親も一緒に学ぶなどといったものが挙げられます。
中でも僕が根本的に重要だと考えるのは、やはり「見守る」ことです。
可能であれば、全てを見守りたいぐらいです。
汚い遊び、子ども同士の争い、喧嘩、小さな危険の数々、この世界で経験する物事全てです。
確かに、物事を教えるのが大人の責任です。
しかし大切なのは、大人が教えることではなく、子供が知ることだということを忘れてはいけません。
今の社会は子どもに物事を学ばせることよりも、その場にいる大人が注意をすることや、制限をかけること、危険から守るといった”行為”こそが重視されているように感じます。
主体的な学びから最も遠い社会体制が現代日本なのです。
かといって、全てを見守るなんて無理だと思う人が大半だと思います。
学校などの教育現場ではまず不可能でしょう。
ですから、「主体的な学び」はとても難しい課題なのです。
我々大人は、次の世代に何を伝えていくべきなのでしょうか。