心配と信頼

【心配と信頼】
0歳の子供に対して、親は心配100%、信頼0%です。
生まれたばかりの子供は、一人で何もできませんから当然かもしれません。
親としての最終目標は、心配を0%に近づけ、100%の信頼を作ることだとも言えます。
言葉にするのなら、「この子はもう、私がいなくても生きていける」です。
寂しい気持ちが込み上げてきますが、これが子育てのゴールです。
兄弟二人を連れて、散歩をしている時の話です。
今までは、車が来る度に「車が来たよー。端によけてー」と言っていました。
車を確認するのも親、近くに来たのを知らせるのも親、行動を指示するのも親。
まさに心配100%、信頼0%です。
ある日僕は、車が来ていても何も言いませんでした。
すると兄は、コンクリート塀にビタビタに体を寄せながら、弟と僕に向かって叫びました。
「車がきたよー。端によけてー」と。
心配と信頼の比率が変わった瞬間でした。
時に親は、頼りない存在を演じなければなりません。
そうでなければ、子供はずっと親を頼ってしまいます。
子供を信頼する勇気を持てば、子供はちゃんと自立していけるのです。