欲とリスクの天秤

【欲とリスクの天秤】
生きる上で、一番苦しまない方法とは何でしょう。
それは、何も行動せず、快楽だけを得ることです。
日本は豊かですから、そういう生き方をすることも可能です。
その代わり、大きな欲求を叶えることはできません。
僕たちは「欲」の分だけ、苦しまなければならないのです。
「苦しむ」というより、「リスクを取らなければならない」という方が正確かもしれません。
例えば、「バク転ができるようになりたい」と思ったら、相当のリスクを払います。
1番のリスクは時間です。
0からバク転習得まで、一体どれほど膨大な時間を捧げる必要があるでしょうか。
週に1回の練習で1年かかるかもしれませんし、人によっては週5回練習して3年かかるかもしれません。
バク転以前の技を習得するまでにも、長い年月がかかるでしょう。
筋トレも不可欠です。
筋力をつけるということは、例外なく筋繊維を破壊する痛みを受け入れなければなりませんし、回復過程においては相応の疲労感を伴います。
精神的なリスクもあります。
物事を習得する上では、「できない自分」を受け入れなければなりません。
「なんで上手くいかないだろう」
「どうしてあの子はあんなに上手にできるんだろう」
そのような、辛い思いをする可能性もあるでしょう。
怪我のリスクだってあります。
確かに、一流の補助者の元で適切な練習を行えば、怪我をするリスクは低いです。
しかし、可能性は0ではありませんし、関節の炎症など小さな怪我はつきものです。
お金もかかります。
独学でお金をかけずに習得するという選択もできますが、それ以外のリスクは高まります。
欲を叶えるということは、リスクをとって行動するということです。
繰り返しになりますが、一番楽なのは欲を捨ててしまうことです。
そうすれば、他のことに時間を使えますし、痛い思いや苦しい思いをすることもありません。
これは、あらゆる物事に当てはまる絶対の天秤です。
リスクを捨て、欲も捨てるか。
リスクをとって、欲を叶えるか。
皆さんはどちらを選ぶでしょうか。


