子供にチャンネルを合わせる

【子供にチャンネルを合わせる】

子供の話を聞くというは簡単ではありません。

そもそも、人の話を聞くというのはとても難しいことなのです。

「話を聞く」には3段階あります。

第1段階は「相手が言ったことを聞く」です。

聞いたままの意味を解釈し、表面を理解しただけです。

第2段階は「相手が言わんとしていることを聞く」です。

言葉の裏側にある相手の感情や意図を汲み取るということです。

自分の物差しではなく、相手の価値観に寄り添い、想像力を働かせなければなりません。

第3段階は「相手も気づいていない本音を聞く」です。

その言葉が意図する感情よりさらに深い、根源的な真実を見抜く力となります。

例えば子供が「今日、喧嘩した」と言ったとしましょう。

第1段階では、「喧嘩した」という事実をそのまま解釈しただけになります。

第2段階の聞き方では、「喧嘩した」という言葉から「悲しい」「辛い」「寂しい」という子供の感情を汲み取り、それに応じた態度をとることになるでしょう。

第3段階はさらに、子供の性格やその時の様子などをもとに本心を分析します。

「今は心がすり減ってしまったことで、親の愛情が欲しいと思っているだろう」

「その上で、この子の本心は相手と仲直りをすることを望んでいるのかもしれない」といった具合です。

このように子供の話を深く聞くためにはどうすればいいでしょうか。

その方法の一つが、『子供にチャンネルを合わせる』です。

簡単に言えば、自分が子供になるのです。

感情的で知識が浅い、未熟な子供にです。

さらに、その子の性格になるのです。

例えば、人見知りで、臆病で、完璧主義な人間に。

例えば、大雑把で、負けず嫌いで、怖いもの知らずな人間に。

そうやって、目の前の子供にチャンネルを合わせて話を聞くことができれば、より子供を理解することができます。

大人に理解してもらえると、子供は安心します。

反対に、言いたいことが伝わらないと、どうしようもなく不安なのです。

子供は表現力が未熟なこともあります。

その分は、大人が聞く力でカバーしてあげられると良いですね。

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