悩むこと

【悩むこと】
地球上には、発見されているだけでも175万種の生物がいるようですが、その中で「悩む」という特性を持っているのは人間だけです。
他個体との関係や自分の未来のことはもちろん、五感を失おうが、体の一部を失おうが、彼らは悩みません。
どんな状況に置かれようが、現状を受け入れ、最期の瞬間まで命を全うするだけです。
人間に最も近い知能を持つ生物のひとつであるチンパンジーですら、「悩む」ことはしません。
皮肉なことに、人間は悩めるほどまでに、高度な知能を持ってしまったのです。
彼らに言わせてみれば、人間はどうでもいいことに悩み続けているのでしょう。
では悩むことが悪いのかと言えば、そうではありません。
人は人同士で問題を作り出し、あるいは自ら悩みを作り出し、苦しみ、成長していきます。
そう、成長するために悩むのです。
子供の頃の悩みなど、今は悩みになりません。
それだけ人間としての器が大きくなったからです。
きっと今悩んでいることも、5年後、10年後には悩んでいないのでしょう。
気が済むまで悩み、器を広げていくことが、人間の通るべき道なのかもしれません。


