天才の正体

【天才の正体】

「あなたのお子さんは上体が長すぎて、脚が短すぎる上、両手両足が大きすぎて、腕がひょろ長いですね」

こう言われて小躍りする親はいません。

ところが、経験豊富な水泳のコーチが見たら、未来のオリンピック選手を想像するでしょう。

マイケル・フェルプスは2001年に男子競泳史上最年少の15歳で世界記録を更新してから、18年間世界記録を保持した人物です。

彼は193cmの身長で、アスリートらしい引き締まった体をしていますが、その均衡はお世辞にも良いとは言えませんでした。

脚が短く胴長で、両手両足が異様に大きく、両腕を広げた幅は2mを超えます。

フェルプスはダンスも上手く踊れないし、早く走ることもできません。

早い話、陸上でのあらゆる運動を苦手としていました。

しかし、ひとたび水に入れば彼は無敵の怪物となり、オリンピック史上最多のメダルを獲得したのです。

体型に限らず性格においても、人々が驚くような結果を出す人というのは皆「変わり者」です。

私たちはとにかく物事に「良い」「悪い」のレッテルを貼りたがります。

実際に、それらは単に「異なる」だけなのに。

私たちが「今より良くなろう」あるいは「この子を今より良くしよう」と考えた時、それが本当に成長を意味しているかどうか考える必要があります。

それは成長ではなく、ただ「普通」に向かっているだけかもしれません。

私たちは「最良」になろうとして、あまりにも多くの時間を費やします。

では多くの人が認める「最良」とは何でしょうか。

それは「世間並み」です。

卓越した人になるには、一風変わった人間にならなければなりません。

そのためには、世間一般の尺度に従っていては前に進めないのです。

我慢ができない、感覚過敏である、暴力的である、危機管理能力が低い、極度の人見知りである。

他にも挙げればキリがありませんが、こういった世間的に普通じゃない何かこそが天才の芽です。

適した環境さえ与えられれば、変わり者は美しい花を咲かせるのです。

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