怒られないと子供はダメになるのか

【怒られないと子供はダメになるのか】
人は怒られて育つのか。
それとも、怒られる必要など微塵も無いのか。
教育に怒りの感情は必要なのか、不要なのか。
怒られて育った子供は強く、怒られず育った子供は弱いのか。
怒る人は感情のコントロールができていないのか。
それとも、怒れない人が甘いのか。
そんなことを、何年も考え続けています。
まず言えるのは、教育をする立場の人々は皆、社会的抹消を恐れているということです。
学校教育の先生も、部下を育成する立場の上司も、相手を叱れば職を失う可能性があります。
職を失うまで行かずとも、問題にはなってしまいます。
家庭教育においても、子供を怒鳴れば虐待として認められる場合があります。
ですから、そもそも時代背景的に怒る教育が困難という事実はあるでしょう。
その上で現時点での私の結論は、教育に怒りは不要です。
怒りの感情は誰にでもあります。
それは私たちが人間だからです。
そして人間というのは、経験を重ねていくごとに器が大きくなります。
また、伝える力も相手の気持ちを想像する力もついていきます。
さらに知識も増えるので、目の前で起きている現象が何なのかを理解する力もつきます。
要するに怒らなくても物事の善悪や、自分の感情を伝えることができるようになります。
端的にいうのであれば、人は未熟だから怒ります。
子供はお腹が空くと不機嫌になりますし、思い通りにならないと感情的になったりします。
ですから、お互い未熟な子供同士は怒りをぶつけ合うコミュニケーションをしても仕方ありません。
しかし大人はお腹が空いたり、ちょっと都合が悪くてもいちいち怒ったりしません。
それは我々が様々なことを経験して成長したからです。
怒らないと子供がダメになるというのは幻想です。
怒らなくても全ての教育が成り立ちます。
かと言って、してはいけないことをした時に許すのは違います。
真剣に伝えなければ、それは子供がダメになるでしょう。
善悪の判断も道徳も、すべきことの教育も、怒る以外の方法で伝えていくのが、器の大きな人の勤めではないかと私は思います。


