引き算の子育て

【引き算の子育て】
今、世界は物や情報に溢れています。
高度で複雑な、大きな仕組みの中で私たちは生活し、子供を育てなければなりません。
それは何も悪いことではありません。
考え直さなければならないことがあるとしたら、そんな世界で「子供をどう育てるか」という正解のない問いに、親が振り回されていることです。
子供がどう育つかというのは、子供の課題のはずです。
それがなぜか、親が何を与え、何を制限し、何を学ばせるかという視点で子供と関わっています。
これはすべて、子供に対する足し算です。
ここで言う足し算は、何かモノを与えるだけでなく、行動を制限したり、指示を出したり、子供をコントロールすることを指します。
レールを敷かれたら、子供は飛び出したくなります。
しかし、飛び出すと大人たちから認められません。
それは子供にとって大きな恐怖です。
ですから、承認欲求を満たすために大人の言うことを聞く子供が生まれます。
このような足し算で、子供は自立しません。
必要なのは、不要なものを削っていく引き算です。
何もないところにいるから、自分の中に何かが湧き上がってくるのです。
例えば、友達の輪に入れない子がいたとします。
それを見た大人が、かわいそうだからと、「ほら、行ってきなさい」と促したり、「この子も入れてあげて」と他の子に指示を出したりするのは、与えすぎなのです。
「どうしたい」と思っているかという気持ちも、いつ踏み出そうかというタイミングも、状況を整理する心構えも、その子の内側から発生しなければならないものです。
仮にその子が友達の輪に入りたいと思っていたけど、自分では言い出せなかったとします。
そこで「悔しい」「勇気が出なかった」と感じる経験も、その子のものです。
このような子供の経験を奪っていたら、一体どちらがかわいそうなのでしょうか。
大人が助けてあげなければ子供は成長しないというのは思い違いです。
助ける度に、子供の成長を妨げているかもしれません。
ですから私たち大人は、引き算をする勇気を持たなければならないのだと思います。


