ありのままの自分を認めることの難しさ

【ありのままの自分を認めることの難しさ】
これは、あるお母さんが、担任の先生に相談した内容です。
「うちの子は、低学年の頃は、明るくて素直で、成績もよかったんです。
しかし、6年生になってから、だんだん成績が下がり始め、塾にも通わせて、通信も受けさせたけど効果はありませんでした。
最近では、塾も辞めてしまい、教材もほったらかしです。
家では、口も聞いてくれなくなってしまいました。
私は、特に甘やかしたわけでも、厳しくしたわけでもありません。
いつも愛情を持って接してきました。
それなのに、どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。
私は、何がいけなかったのでしょうか。」
先生はこう返します。
「お母さん、あなたが愛しているのは、成績が悪くて反抗的な、今のお子様ですか?
それとも、成績が良くて素直な、低学年の頃のお子様ですか?」
お母さんは、何も言えなくなってしまいました。
このお母さんは、ありのままのわが子を受け入れることができませんでした。
成績が落ち始めたとき、塾に通わせ、教材を与えることで、「成績の良いわが子」に戻そうと考えたのです。
子供はそのことに気がつきました。
母親に受け入れられない自分を、自分自身でも受け入れられなくなってしまったのです。
親に受け入れられない、欠点だらけの自分を、子供自身が受け入れることができるでしょうか。
親の責任は重大です。
子供の自己肯定感の土台は、親が作るのです。
つまり、子供は親から存在を認められることで、ありのままの自分を認めることができるということです。
さて、そうは言っても、「あなたは成績が悪くてもいいのよ」などと伝えるのはリスクがあります。
それが親の本心でなければ、子供は嘘を見抜きます。
また、本人は成績が落ちたことに危機感を持っているかもしれません。
ですから、「ありのままを認める」というのは、難しいことなのです。
このお母さんにできたこととすれば、子供の気持ちを聞くことだったのかもしれません。
子供自身が、成績が落ちてしまったことに悩んでいるのなら、「親としてサポートするけど、あなたはどうしたい?」
あるいは、「あなたが今、大事にしたいことは何?」という態度です。
子供と向き合うというのは、本当に勇気がいりますね。


