相手に伝わる言葉を使うとはどういうことか

【相手に伝わる言葉を使うとはどういうことか】
「せいぜい頑張れ」という言葉を聞いて、皆さんはどう感じるでしょうか。
これは本来、「精々=精を出して努力する」という意味で、激励の言葉として相手に送るものです。
しかし、現代では、「どうせ大した結果は望めないだろうけど、頑張れ」のような意味で解釈されるケースが多いのではないでしょうか。
また、体操競技において、チームメイトに声援を送るとき、「しっかり!」という掛け声があります。
これは、今から演技を行う選手の背中を押す言葉です。
日常でも、「しっかり」という言葉は、「頑張れ」に並ぶ励ましの言葉であることは、疑いようのない事実です。
ところが最近は、「しっかり」と言われると、マイナスイメージとして受け取られる可能性があります。
大学生を中心とした若者の意見では、「しっかり」は、「しっかりしてない時に言われる言葉」という印象があり、「なんだか叱られている気がする」のだそうです。
こちらは励ましているつもりでも、相手は注意されていると感じるわけですね。
もはや、「頑張れ」という言葉すら、使わない方がいいという意見も聞きます。
理由は「しっかり」と同様です。
「頑張れ」と言われると、「頑張ってない」みたいだからです。
育児系の書籍には、非常によく書かれています。
親世代の、「じゃあ、なんて言えばいいの」という声が聞こえてきそうです。
一つの例としては、「頑張れ」ではなく「頑張っているね」になるのですが、その話はまたの機会にしましょう。
何が言いたいのか。
言葉というのは、意味の正しさが重要ではないということです。
時代によって、解釈が変わっている言葉は、山のようにあります。
言葉とは、そういうものです。
ですから、聞き手に合わせて、使い分ける必要があります。
こちらが激励のつもりでも、相手が皮肉を言われたと感じたら、皮肉を言ったことになってしまうのです。
理解が異なると感じた時に、意味を説明するのも、大切なコミュニケーション能力です。
視点を変えれば、間違った意味で使うこともまた、「相手に伝わる言葉を使う」ということなのかもしれません。
言葉というのは、面白いですね。


