人生の厳しさは教わるものじゃない

【人生の厳しさは教わるものじゃない】
私たちは、幾たびの困難を乗り越えて、今日という日を迎えています。
「人生は甘くない」ということを、身をもって経験してきました。
だからこそ、子供のことが心配になります。
横暴で自分勝手な子、
何事も長続きしない子、
打たれ弱い子、
誠実さが足りない子、
子供のそんな一面が見えた時、「そんなことでは、この先大変な目にあうぞ」という想いが湧き上がるのです。
そして、よくよく言い聞かせます。
「お前のそういうところは治さなければならない。人生そんなに甘くないぞ」と。
しかしながら、その親心は、なかなか子供に伝わりません。
なぜなら、子供は自分で苦労もしていなければ、困ってもいないからです。
要は実感が無いのです。
ですから、上に挙げたような態度、特性が見えた時は、それによって子供が苦労する瞬間が訪れるまで、親は待つしかありません。
その瞬間が訪れた時、子供が自ら苦労する経験こそ必要なのです。
さらに言うと、ここで挙げたような事柄は非常にレベルの高い悩みとなります。
「自分は横暴なところがある」
「自分は継続力がない」
「自分は打たれ弱い」
「自分は誠実さが足りない」
このセルフイメージに向き合うのは、心が十分に成熟した後でなければなりません。
思春期には、自らの特性と向き合う時が来るかもしれませんが、幼少期・少年期に自分へのマイナスイメージを持つことはまず不要です。
このような場面で、人生の厳しさを感じる必要はないということです。
安心していただきたいのです。
子供は発育に応じて、ちゃんと人生の厳しさを経験しています。
よちよち歩きの赤ちゃんが棚に頭をぶつけることから始まり、お漏らしをしたとか、シャンプーが目に入ったとか、好きな子には好きな子がいたとか、そういうピンチや挫折を味わうのです。
大切なのは、こうした物事が誰かに教わったのではなく、偶発的に自らに降りかかったことで経験したということです。
だからこそ子供は、「人生は何が起こるかわからない」「時にはピンチも訪れる」と、少しずつ学んでいきます。
ですから、敢えて人生の厳しさを教えようとする必要はありません。
子供たちも、十分苦労しながら生きているのです。


