英語に「頑張れ」は無い

【英語に「頑張れ」は無い】
日本語と英語の違いには、とても興味深いものがあります。
その一つが『元気の出し方』です。
日本語の場合は「精神」に働きかけ、英語は「身体」に働きかけます。
具体的に見ていきましょう。
英語には「頑張れ」や「元気を出せ」に相当する言葉がありません。
「諦めるな(Don't give up.)」や「ベストを尽くせ(Do your best.)」「君ならできる(You can do it.)」など、具体的な表現となります。
「気」などといった精神的な表現は、一般的ではないのです。
欧米人にとって「気合い」などという抽象的な言葉は、意味不明なのかもしれません。
他にも、「頑張れ」に近い表現として、「Chin up」や「Cheer up」があるようです。
どちらも、「顎をあげて(うつむかないで)」「上を向いて」「声をあげて」のような意味になります。
いずれにしろ、身体的な動作に根ざした表現です。
このように、日本では精神から気分を上げようとし、欧米では動作によってパフォーマンスを上げようとすることがわかります。
さて、ここからは、脳科学的にどちらの手法が効果的なのかをお話ししていきます。
つまり、良い成果を出すためには、精神と身体、どちらに働きかけるのが合理的なのかということです。
実は、これには結論が出ています。
答えを言ってしまうと、「身体」に働きかける方が合理的です。
「精神」や「気分」というのは、目に見えない世界です。
一方、「身体」は目に見える世界、言い換えれば「現実」です。
それを踏まえて、一つ例を出します。
人とコミュニケーションを取る時、良い関係を築こうと思ったら何が必要でしょうか。
相手の心理を見抜く洞察力や、巧みな話術は不要です。
もっと単純なこと、「笑顔」です。
「笑顔」というのは最強の武器で、周囲の人を笑顔にし、ポジティブな思考を呼び起こし、気分を上げ、ドーパミン(幸せホルモン)が出て幸福な気持ちになります。
何が言いたいのか、もうお分かりですね。
そう、「笑顔」という現実(見えている世界)を作るから、「気分」(見えない世界)が変わるのです。
その証拠に、怒りの表情を浮かべながら、相手の好きなところや、良いところを考えるというのは、非常に難しいのが分かります。
同じように、仏頂面で過ごしていて、人生の喜びや幸せを感じるのはとても難しいのです。
反対に、笑顔で過ごしているだけで、人生は楽しく、喜びに満ちたものになります。
日本という国は、精神を重視した文化です。
「頑張れ」と言う言葉も、「我(眼)を張る」=我が儘を通す、じっと動かず我慢するという意味が始まりです。
ですから私たちは、辛い現実、求めている現実があった時、心の力でどうにかしようとするかもしれません。
しかし、辛い時に心の力で「頑張る」というのは、非効率的です。
大切なのは笑顔を作ること。
もっと具体的に言うなら、いつも笑っている人に会いに行くことです。
「身体」に働きかけることで、「精神」に変化が訪れる。
そんなことを、少しだけ意識するのも、良いかもしれません。


