情報不足だからすれ違う

【情報不足だからすれ違う】
少年が道を歩いていると、目の前でおばあさんが手荷物を落としてしまいました。
荷物が地面いっぱいに広がった光景を見て、「これは大変だ」と思った彼は、荷物を拾うのを手伝ってあげました。
小物や、お財布の中の小銭なども散らばっていたため、それらを拾い集めるのには結構時間がかかりました。
全ての荷物を拾い終えた後、おばあさんは少年に深く感謝しました。
おばあさんは「お礼をしたい」と言いましたが、少年は「もう家に帰らなければならないので」と断りました。
家に帰ると、父親が玄関の前で待ち構えています。
なにやら不穏な空気です。
(しまった、門限を破ってしまった)
「お父さんがなぜ怒っているかわかるか」
「でも、お父さん」
「でもじゃない!悪いことをしたらまず謝るんだ!」
(悪いこと?僕は、悪いことをしたのかな。)
この話を読んだ時、少年の行動を知っている人からすれば、「なんてひどい父親なんだ」「まずは話を聞くべきだ」という思いが込み上げてくるかもしれません。
このお父さんは、息子を心配し、大切に思っているからこそ、門限という約束事を設け、それを必ず守るように言い聞かせていました。
しかし、息子が門限を破ってまで何をしていたのか、その情報を知りませんでした。
知っていたら、きっと対応が違っていたでしょう。
「お前は優しい子だ。我が家の誇りだ」と抱きしめたかもしれません。
その上で、「できるかぎり門限は守って欲しい」と釘を刺すのであれば、少年も不満を抱くことはありません。
このように、すれ違いというのは、いつも情報不足によって生じます。
ですから、「聞かないこと」も、「話さないこと」も問題を秘めているのです。
大人はまず、子供の話を聞くことです。
それだけで多くの問題は解消します。
これは親子関係に限ったことではありません。
あらゆる人間関係で、心得ておくべきことです。


