なぜ親の評価が子供の自己評価を下げるのか

【なぜ親の評価が子供の自己評価を下げるのか】
子供をほめる時、そこには2つのプロセスが発生することを、私たちは知らなければなりません。
「私たちが子供に言うこと」と「子供がそれを聞いて自分自身に思うこと」です。
親子のやり取りは、往々にしてすれ違います。
親がどんなに純粋な気持ちで褒めても、子供が自分に対して否定的な感情を抱くことはあるのです。
「あなたは本当に良い子」「とても行儀が良い子だ」「なんて賢い子なの」
そうした褒め方がなぜリスクを孕んでいるのかというと、それが子供に対する『評価』になっているからです。
子供が自分自身に感じている評価と一致すれば、大きな問題はありません。
せいぜい、子供にプレッシャーを与えるぐらいです。
しかし、子供自身が「自分は良い子ではない」「自分は賢くない」と自己評価をしている場合、そのすれ違いは良からぬ行動を招くかもしれません。
かといって、「あなたは悪い子ね」「あなたは頭が悪いね」と言うのは、もっと悲惨な結果を引き寄せるでしょう。
私たちはどうすればいいのか。
そのためのヒントは、「現実」と「親自身の感情」に注目することです。
例えば次のような表現です。
「お皿を洗ってくれてありがとう」
「ゴミが綺麗に無くなっていて驚いたよ」
「手紙を書いてくれて嬉しかったよ」
「重い荷物を運んでくれて助かったよ」
ここに、子供への評価は一切ありません。
あるのは子供が行動した事実と、それに対する親の感情です。
すると、その言葉を聞いた子供は、「自分は人の役に立てる」「自分は人を喜ばすことができる」「自分は力持ち」と評価をするのです。
もしも親が先に、「あなたは力持ちね」と評価をしたのなら、子供は「そんなことないよ、クラスにはもっと力持ちな子がいるもの」と言っていたかもしれません。
大切なのは、ほめる時に発生する2つのプロセスをイメージすることです。
子供に思って欲しいこと、感じて欲しいことをそのまま言うのではなく、逆算して一歩手前の言葉を投げかけるのです。
難しいテクニックのように感じますが、そもそもコミュニケーションとは簡単なものではありません。
私たち親も、日々練習が必要なのです。


