効率化は子供の敵

【効率化は子供の敵】
小さな子供は、試行錯誤を繰り返しながらゆっくりとスキルを学んでいきます。
それは、私たち大人が想像しているより、何倍もゆっくりなのです。
現代の良いところでもあり、悪いところでもあるのは、何事も便利で効率的すぎることです。
時代が進むにつれ、生活のほとんど全ての雑務において、我々人類は要する時間を短縮してきました。
洗い物や料理といった家事全般はもちろん、スマホの反応速度からインターネットの通信速度に至るまで、どれだけ早く物事を処理できるかをテクノロジーは追求しています。
それによって私たちは、「長く時間をかける」ことに耐える力が弱まっています。
面倒なこと、非効率的なことと向き合う大切さを、失いかけているのです。
幼い子供は、洋服を着替えるのに何分も、場合によっては何十分もかかります。
そんな時、待ってもらえることが、子供にとってのいちばんの助けです。
靴を履くのもすぐにはできません。
やっと履けたと思ったら右と左が反対で、「靴が右と左反対だよ」と言われ、また脱いで履き直すことに価値があるのです。
「いつになったらちゃんと履けるようになるの」と見下したり、「いつまでやってるの、早くしなさい」と急かすのはおすすめしません。
それでは、失敗することや遅いことが悪であると、子供は学びます。
一方、「靴を履くのも簡単ではないよね」「右と左もわかりにくいよね」「待っていてあげるから」といったコメントは、子供にとって救いとなります。
そうすれば子供は、物事を覚えるのには努力と忍耐がいること、そして時間がかかることを学ぶでしょう。
様々な経験を経て、多くのスキルを得た成人が、さらに多くの物事を成し遂げるために効率化を図るのは悪いことではありません。
しかしながら、何事も未熟な子供にとって、効率化は敵です。
ちゃんと覚えていない段階から効率化しようとするのは、その物事を最後までちゃんと覚えるつもりがないという決意なのです。
そうした覚え方に慣れてしまえば、挑戦できることはどんどん狭まっていきます。
わたしたち親がすべきなのは、できる限り長い時間をかけて子供の成長を見守り、非効率的な子供の試行錯誤を認めることです。
ゆっくりが良いのです。


