認めるのは同意ではない

【認めるのは同意ではない】
子供の意見を認めることは、親にとって勇気のいることです。
親子関係に限らず、夫婦関係、職場の人間関係、友人との関係においても、他人の意見を受け入れるというのは、容易なことではないのかもしれません。
その原因は、他人の意見を認めることが、自分の意見を曲げることと結びついてしまうからです。
陰口を例にしてみます。
陰口というのは、時に、聞かされて気分の良いものではありません。
「〇〇さんって、口調が強くて好きになれないんだよね」
こんなふうに言われた時、相手が望んでいるのは、「わかる、私も苦手だよ」という同意です。
少なからず、そう言われたら相手は気分が良いでしょう。
しかし、自分の意見が、「〇〇さんの力強い口調が好きで、尊敬している」だとしたら、相手の意見に同意して、自分の意見に嘘をつくことになります。
このような、どちらかが犠牲になるコミュニケーションの取り方をすべきではありません。
こう返事をするのはどうでしょう。
「きみは、〇〇さんの強い口調が苦手なんだね」
「〇〇さん、確かに口調が強めだよね」
これならば、相手の意見を認めていますが、自分の意見に嘘をついたわけではありません。
次に、子育ての場面で考えてみましょう。
子供が親にとって都合の悪いことを言ったとします。
そんな時、こうした反発の言葉が頭に浮かぶかもしれません。
「バカなことを言わないで」
「どうしてそんなひどいことが言えるの」
「もう一度言ってみなさい」
「よく考えればわかるでしょ」
これらの言葉は、つまり「あなたの意見には同意できない」という意味です。
しかし、かわりに次のように言って、同意はせずとも認めることはできます。
「あなたの意見を聞かせてくれて感謝するよ」
「それがお前の気持ちなんだね」
「勇気を出して教えてくれてありがとう」
このように、承認=同意ではないということを知っていれば、私たちはもっと他人の意見に寛容になれるのではないでしょうか。
子供の言うこと、感じていることは、認めてあげて良いのです。
それは親の意見を曲げることになりませんし、その考え方が正しいと伝えることにもなりません。
ですから、安心して承認してあげましょう。


