苦労は買ってでもしろ

【苦労は買ってでもしろ】
「子供には成功体験を積ませましょう」
教育者なら誰もが言う言葉です。
私もそう思っています。
しかし、同じぐらい、むしろそれ以上に失敗体験は大切です。
同様に、人に勝つ経験だけでなく、人に負ける経験も大事なのです。
「成功」「勝利」はその瞬間に何をもたらすかと言うと、「喜び」や「快楽」です。
一方、「失敗」「敗北」がもたらすのは、「不快感」や「ストレス」となります。
親なら、我が子が苦しむ姿を見るのは辛いでしょう。
頑張る姿は微笑ましくても、失敗して頭を抱え、敗北して絶望している姿を見ると手を差し伸べたくなるものです。
「成功させてあげたい」「勝たせてあげたい」そんな感情が湧き上がります。
しかしだからと言って、親がいつも失敗を取り除き、成功を与え続けたら、子供は弱くなります。
「弱くなる」とは、困難が降りかかった時、それに立ち向かったり、耐えたり、考えて行動することができなくなるという意味です。
さきほど、「成功」「勝利」は「喜び」をもたらすと言いました。
では問題です。
この喜びは、「苦労」をした時としなかった時、どちらの方が大きくなるでしょうか?
聞くまでもありませんね。
苦労すればその分だけ、成功した時、勝利した時の喜びは大きくなります。
もう一つ問題です。
自ら苦労せず、「成功」や「勝利」を手に入れることはできるでしょうか?
その方法があるとすれば、他人から与えてもらうことです。
しかし、誰が自立した大人相手に、真剣勝負で手を抜いてくれるのでしょう。
そんな不自然なことは、社会に出たら起こりません。
私たちは苦労を乗り越え、努力を重ね、自ら成果を掴み取るしかないのです。
だからこそ、子供に苦労を教えるのは、親の勤めです。
「痛いこと」「悲しいこと」「思い通りにならないこと」「我慢させること」これらは貴重な経験です。
買ってでもさせるのです。
仮に、「自分のような苦労を子供にはさせたくない」と言い、子供に何不自由ない生活をさせる親がいたとします。
私はこの子が自立できるとは思えません。
できたとしても、きっと将来苦労します。
子供に苦労させたくないのなら、苦労するのが当たり前だと教えるしかないでしょう。


