自制心を育む方法

【自制心を育む方法】
私のブログにも度々登場する「マシュマロ実験」。
教育系の書籍では引用されることが非常に多い資料です。
子供の目の前にマシュマロを置き、「すぐ食べてもいいけど、待つことができたら後で2つあげるよ」と伝え、その子がどう行動するかを観察します。
被験者たちが高校生や大人になった時に再調査したところ、当時マシュマロを我慢できた子の方が、学業成績が良く、収入も高く、健康状態も良好だったという研究データです。
この実験は、我慢強さや合理的判断力といった自制心が社会的成功と関連していることを示したわけですが、これを知ったところで一体何になるでしょうか。
具体的に言うなら、我が子にマシュマロ実験をして、「我慢できた」「我慢できなかった」を調べたとします。
マシュマロに興味がないなら、アイスでもゲームでもいいでしょう。
実験の結果、自分の子供は我慢ができなかったとしたら、親はどうしたらいいのでしょうか。
「この子は自制心が無いから、将来は期待できないわ」と受け入れれば良いのでしょうか。
違いますよね。
肝心なのはこの先です。
どうすれば我慢できるのか、どうやって感情をコントロールする方法を身につけていくかを考えていかなければなりません。
このマシュマロ実験を他の角度から調査した実験もいくつか存在します。
その一つとして、「我慢できた子は、どうやって我慢したのか」という部分に着目したものがあります。
結論だけ言いますと、我慢できなかった子はマシュマロをじっと見つめてしまい、我慢できた子はマシュマロから注意を逸らす何らかの方法(歌を口ずさむ、独りごとを言うなど)を工夫していました。
そこで実験者は、子供に我慢の方法を長年教育し続けました。
おやつの周りに額縁をイメージさせて、これは本当のおやつではなく絵だと思わせたり、「我慢できたら2つもらえること」を言い聞かせたりしました。
そして、14年後に彼らを再調査したところ、我慢できるようになった子のSAT(大学進学適正試験)スコアは、元々我慢できた子と同等だったことが示されたのです。
つまり、我慢強さはその子の生まれつきの特性で変えることができないのではなく、教育によって向上させることができるということです。
自分の感情をコントロールできるかどうかという物差しは、子供なら誰しも未熟で当然です。
脳が発達している最中なのですから。
その発達段階の途中で、少しずつコントロールする方法を教えていくことに意味があるのです。
ちなみに、脳科学的には自制心は20歳になっても完成するものではありません。
20歳前後の若者がハメを外しやすいのはそのためです。
ですから、小学生の子供が自分の心を上手くコントロールできないというのは、ごく自然なことで焦る必要はありません。
簡単なことから少しづつ、我慢の心を育んでいけば良いのです。


