天才を育てた母

【天才を育てた母】
学校の授業で、先生を質問責めにする子供がいたら、皆さんはどう感じますか?
それも授業に関係のあることではなく、算数の時間に「風はなぜ吹くのですか?」とか、「虹の中身はどうなっているのですか?」ということを絶え間なく聞くので、授業が進みません。
さらにこの子は、近所の大人にも疑問をぶつけます。
大人にも分からない質問をするので、大人が「そんなことはわからない」と言うと、「なぜ分からないのですか?」という調子でした。
また、聞いたことを自ら試さなければ気が済まないので、それによって小屋を燃やしたり、友人を使って実験をしたりしました。
おかげでこの子は、学校の先生から見放され、友人に見放され、近所の大人たちから避けられるようになりました。
彼の名は、トーマス・エジソン。
世界の発明王です。
冒頭の質問に戻ります。
皆さんは、エジソンのような子供がいたら、どうするでしょうか?
きっと、多くの人がそうしたように、その子を見放し、遠ざけ、関わらないようにするかもしれません。
もしも、世界中の全ての人が、エジソンをそのように扱っていたら、彼は偉大な発明家にはなれなかったでしょう。
なぜエジソンは好奇心を失わず、能力を開花させ、歴史に名を残す偉人になったのか。
その理由は、母親の存在があったからです。
ナンシーだけは、エジソンの行動を認め、尊重しました。
彼の質問に最後まで付き合い、分からなければ一緒に考え、本を買い与えました。
「もうやめなさい」とか、「実験ばかりではなくて、他の勉強もしなさい」という言葉は決して言いませんでした。
何時間小屋に引きこもっても、薬品を爆発させても、「あの子は自分のしたことを分かっているわ」と父親を説得しました。
勘違いしてはいけないのは、彼女はただの甘い母親ではなかったということです。
危ないことやモラルに反した時には、厳しく叱りました。
けれども、理由をはっきりさせた上で短時間で切り上げ、叱った後は抱きしめて励ましたと言います。
こうした、慈愛に満ちた毅然とした態度が、トーマス・エジソンの才能を開花させたのでした。


