ぼくの力もやくにたっているんだな

【ぼくの力もやくにたっているんだな】

これは、戦後に小学4年生が書いた作文です。

「車おし」
よいしょ
よいしょ
とうげの坂道
ぼくは車のあとおしだ
おとうさんの背中のしゃつに
あせがにじんでいる
ためしにちょっと
おすのをやめてみた
車はすこしあともどりした
おとうさんがうしろを向かれた
ぼくの力もやっぱり
やくにたっているんだな
(国分一太郎『新しい綴方教室』より)

この気づきの価値がわかるでしょうか。

「ありがとう」という言葉よりも、明確に実感することができる自分の存在価値。

仮にこのおとうさんがとても力持ちで、一人でも難なく車を引っ張って行ったらどうでしょうか。

子供はきっと、「自分なんて、いてもいなくても変わらないじゃないか」と思うでしょう。

ですから、子供の力を借りるというのは、難しい教育なのだと思います。

単に仕事を与えるのとは違うからです。

人の役に立つという実感を与えてあげなければなりません。

もしもその喜びを伝えることができれば、子供は社会で生きる上でとても大きな財産を手にすることは間違いありません。

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