楽しい方がいいのか、分かる方がいいのか

【楽しい方がいいのか、分かる方がいいのか】
学校の授業を想像してください。
「楽しいし分かる」
「分からないけど楽しい」
「楽しくないけど分かる」
「分からないし楽しくない」
この4つの授業があったとしたら、何が最も良いと感じるでしょうか。
多くの人は、「それはもちろん楽しいし分かる授業だ」と言うでしょう。
きっと多くの教員や指導者も同じ意見だと思います。
ひとまずこれを1番良いと仮定しましょう。
そして、最も悪いのが「分からないし楽しくない」授業であることは言うまでもありませんね。
では、2番目と3番目は?
「分からないけど楽しい」のと「楽しくないけど分かる」のは、どちらの方が良いのでしょうか。
これも多くの人は、「楽しくないけど分かる」方がいいと答えるのではないでしょうか。
そもそも、学校の授業というものは楽しいものではなく、分からなければ意味がないと思っているかもしれません。
教員の皆さんも教えるのが仕事なので、どれだけつまらなくても理解させることの方が優先順位が高くなります。
さて、以下は私の考える優先順位です。
①「分からないけど楽しい」
②「楽しいし分かる」
③「楽しくないけど分かる」
④「分からないし楽しくない」
まず、私が重要視するのは「楽しいかどうか」です。
どんなに内容が理解できたとしても、楽しくない授業は辛いです。
と言いますか、楽しくないけど分かるという状況は、単に受け手が優秀だからだと思います。
基本的に楽しくない授業は意欲が湧かないので理解が深まりませんし、「もっと知りたい」という気持ちになりません。
学校には約6時間もいるのですから、楽しくなかったらもう子供は地獄でしょう。
ではなぜ、「分からないけど楽しい」が一番良いのか。
その理由は、「分からない」ことを楽しむのが勉強の本質だからです。
学びの根本は探究心、つまり「知りたい」と願う気持ちです。
「分からない」ことを知ろうとしていくから面白いのです。
どんなに探求して行っても、次から次へと疑問が湧いてくる。
いくら学べど「分からない」が増えていく。
そんな無限の探求にこそ、楽しさが詰まっているのではないでしょうか。
たしかに、理解を深めていくという意味では、それは「分かる」に含まれるのかもしれません。
そう考えると、「楽しいし分かる」授業が一番だということになるのですが、学びを深めていけば、ある時「分からないから楽しい」という逆転現象が起きます。
こうなったらもう、勉強大好き無双状態です。
それに、単純に子供が授業の内容を理解できなかったとしても、「たのしい!」と感じられるのであれば価値があります。
授業に興味を持ち、意識が向いている状態であれば、必ず理解が追いつく日が来るからです。
「分からなくても楽しければいい」なんて言うと、指導者失格だと言われそうですが、私からすれば楽しくない授業をしている時点で指導者失格です。
「分からせる」ことよりも、「楽しませる」ことの方が何百倍も重要なのです。
学校の授業に例えましたが、習い事・スポーツでも同じです。
楽しいという土台の上に、技術向上が成り立ちます。
「できる」以前に「楽しい」から、子供は運動が好きになるのです。
できない状況を楽しめるようにもなります。
私はこれからも、子供たちに楽しい授業を提供していきたいと思います。


