言わないと分からない

【言わないと分からない】
日本人特有の思考パターンにこんなものがあります。
「言わなくてもわかるでしょ」です。
私はこれを聞いた時、妙に納得してしまいました。
日本というのは、今でもやはり閉ざされた国であり、地域ごとに風習の差はあれど、大きな括りとしては一つの文化を共有しています。
「みんなが同じ考え方を持っている」という前提があるので、言葉を交わさずともある程度なら、相手の考えを汲み取ることができるのです。
言語にもその特徴が出ています。
日本語というのは、主語を省略することが多いですよね。
いちいち何度も「私は」「彼の」「私が思うに」と連発しません。
話の流れ的に、今の発言は”私のこと”について言っていることぐらい”わかるでしょ”と思うからです。
しかし、英語は違います。
英語は基本的に主語を省略しません。
省略すると、何のことについて言っているのか、誰の意見なのか理解ができないからです。
日本語が世界でも非常に難しい言語だと言われるのは、文法や発音の問題だけではありません。
「汲み取る」文化や、「言わなくても伝わる」文化が、外国人にとってのハードルなのです。
言葉の意味が分かっても、何を言いたいのかわからないみたいですよ。
例えば、アメリカというのは合衆国です。
異なる文化を持ったいくつもの州が、同じ国家を形成しています。
何百年も前から、自分とは違う考え方を持った人が入り混ざっているのが日常。
だから「言わないとわからない」のです。
彼らは家族と電話をすると、必ず最後に「I love you.」と言います。
言わないと伝わらないのです。
私は息子と接していて、「そんなこと言わなくもわかるでしょ」と思ってしまうことがあります。
妻に対しても、「普通に考えたらわかるでしょ」と思ってしまうことがあります。
まったく、自分勝手な話ですよね。
それは、私の常識であって、息子や妻の当たり前ではありません。
「パパはこう思うよ」「俺はこう考えているよ」
そうやって、自分の意見を言葉にして伝えていく心がけこそが、人間関係で一番大切なのです。


