何もしないという教育
【何もしないという教育】
小学校4年生の男の子と、そのお母さんの話です。
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男の子はいつも遅刻気味で元気がない。
毎朝何度も起こしているがなかなか起きてこない。
最後には無理やり引っぱり起こして机に座らせ、宿題をやらせる。本もノートも母親が開く。
着替えも手伝って、食事も半ば食べさせているような状態である。
友達が迎えに来ると、母親が対応して待ってもらっている。
毎朝子供を送り出すだけで、母親は疲れ切ってしまう。
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このままではいけないと思ったお母さんはカウンセリングを受けに行き、先生からこうアドバイスされます。
「子供を起こさないこと。それから手助けも一切しないでください。」
お母さんは、そんなことは絶対無理だと言いました。
息子が自分から起きられるわけが無いし、不登校になってしまうと。
それに対して先生は、「今の状況は不登校と同じであるか、もっと悪い状況ですよ。」と返しました。
お母さんは意を決して「明日からは今までのように起こすのはやめるので、学校に行きたかったら自分で起きるように。」と男の子に伝えました。
翌日、男の子はギリギリの時間に自分から起きてきて、半分泣きながら宿題をして、食事もとらずに学校に行きました。
その日の夜、男の子は「今まで通り何度も起こしてほしい。」「宿題や着替えを手伝ってほしい。」とお母さんに頼みました。
しかしお母さんはその後も手を出すのを我慢しました。
結果この子は不登校にはなりませんでした。
むしろ彼の生活は好転していったのです。
スポーツクラブに通い始めて体力もつき、自ら中学受験をしたいと言いました。
朝は自分で起き、指示をしなくても食事や着替えをし、気づけば宿題は前日に終わらせるようになったとのことです。
これまでお母さんが続けてきた、何でも手伝い、何度でも注意するという干渉は、無意識のうちに子供を未熟なままでいさせていたのです。
自ら責任を持ってやらなければ、子供は成長しないということを教えてくれるエピソードでした。
僕もこのお母さんのように、自分の子供を信じる勇気を持って、我が子と関わっていきたいと思います。