何にご褒美を与えるべきか
【何にご褒美を与えるべきか】
アメリカの5つの都市で小学2年生から中学3年生までの3万6千人を対象に実験が行われました。
それは、インプットとアウトプットのどちらにご褒美を与えた方が、子供の学力アップに影響を与えたかというものです。
インプットとは、本を読む、宿題を終える、学校に行くなどのことで、
例えば「本を一冊読んだら200円」という形です。
アウトプットとは、学力テストや通知表の成績を良くすることで、
例えば「前回のテストより点数が高ければ教科ごとに1000円」という形です。
実験の結果、成績アップに効果があったのは意外にもインプットにご褒美を与えられた子供でした。
数あるインプットの中でも、本を読むことにご褒美を与えられた子供の学力上昇は顕著だったようです。
対してアウトプットにご褒美を与えられた子供の成績は、全く改善されなかったと言います。
なぜこのような結果になったのでしょうか。
その理由は単純です。
インプットにご褒美を与えられた場合、子供にとって何をすべきかが明快です。
本を読み、宿題を終えればいいのですから。
一方アウトプットにご褒美が与えられた場合、具体的な方法は示されていません。
ご褒美は欲しいし、やる気もあるのに、どうすれば学力を上げられるのか彼らには分からないのです。
また、人は遠い未来の利益よりも、近い利益の方が大きく見えるものです。
これは子供に限ったことではありません。
数週間後の学力テストで良い結果を出せた時の利益より、今日本を読んで得られる利益の方がモチベーションが上がるということです。
さて、子供に何か行動を促すのにご褒美を与えることに抵抗を持つ方もいると思います。
それも一つの考え方です。
ただ、アウトプットに対してご褒美を与える行為は多くの人が無意識にやってしまうのも事実です。
この話から得られる教訓はこうです。
子供の能力を高めるためにご褒美を使うのであれば、アウトプットに対してではなくインプットに対して与えた方が効果があるということです。