嘘は正義

【嘘は正義】
子供が嘘をつくと、多くの大人は「悪いこと」だと感じるかもしれません。
今回は、なぜ子供が嘘をつくのかを考えてみたいと思います。
例えばこのようなケースを想像してください。
子供が留守番中、ボールをぶつけて、陶器の人形を壊してしまいました。
家でボール遊びをするのは、禁止されています。
その子はバレるのが怖くて、人形を捨ててしまいました。
親が「あの人形知らない?」と聞くと、「知らないよ」と嘘をつきます。
親は子供が嘘をついていることを察しました。
皆さんなら、どのように対応するでしょうか。
家でのルールを破り、物を壊し、それを隠蔽したのですから、それなりの指導をする必要があるでしょう。
ここで大切なのは、なぜ子供が嘘をついたかです。
その原因は、自分のしてしまったことが悪いことだと自覚していて、「見つかったらきっと、物凄く叱られる」と想像したからです。
同時に、親の怒った顔、悲しい顔、不安な顔、信頼の喪失、否定的な言葉、そういった物が思い浮かびます。
つまり嘘をついた理由は、そのような脅威から自分を守るためです。
自分を守るためなら嘘ついていい、という話ではありません。
大切なのは、嘘をつくには理由があり、それは多くの場合「何かを守るため」であるということです。
子供の嘘には、「親を悲しませたくない」という理由も含まれます。
「ボールを使った時点で悲しい」「嘘をついた方が悲しい」というのは正論なのですが、子供は親の安心や笑顔も守ろうと必死なのです。
なので、大声で叱ったり、脅したり、罰を与えるのはお勧めしません。
それでは、次に何か悪いことをしてしまった時も嘘をつくようになりますし、嘘のつき方が上達していくだけです。
子供の嘘を極力防ぐための方法は、怒らないことと、「嘘は結局バレる」と思わせることです。
そのための細かいテクニックはたくさんあるでしょう。
とにかく重要なのは、嘘をつくこと自体が悪いのではないということです。
「子供が嘘をつかなければならない事情がある」と考えるのがいいかもしれません。
大人も時に嘘をつくのですから、子供だって必ず嘘をつきます。
それとどう向き合うかは、とても難しい課題ですよね。